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BMJ Open誌から
COVID-19患者のPCR陰性はいつ確認すべきか?
発症から35日後以降だと偽陰性の可能性が少ない

 イタリアAzienda USL-IRCCS di Reggio EmiliaのPamela Mancuso氏らは、北イタリアの都市レッジョ・エミリアでCOVID-19を発症した患者を対象に前向きコホート研究を行い、48時間超の間隔で2回連続してPCR検査が陰性になるタイミングを検討した。PCR検査で陰性となった患者が再検査でも陰性となった割合は78.7%で、5人に1人は初回検査が偽陰性だった可能性が示唆された。一方、発症から35日後以降に初回検査陰性となった患者では、86.8%が再検査でも陰性になっており、時間とともに偽陰性の割合が減少する傾向が観察された。結果は、BMJ Open誌電子版に2020年9月2日に掲載された。

 SARS-CoV-2感染者がどのくらいの期間、ウイルスを排出し続けるのかを明らかにすることは、PCR検査を行うタイミングと回数を最適化するため、また適切な隔離期間を設定するために重要だ。そこで著者らは、レッジョ・エミリアのCOVID-19患者コホートで、鼻咽頭スワブを対象とするPCR検査でSARS-CoV-2が初めて陰性になるタイミングと、48時間後以降に行った2回目の検査でも陰性となる確率を調べ、関連する要因の同定を試みた。

 対象は、2020年2月26日から4月22日までに同地域でCOVID-19を発症しPCR検査でSARS-CoV-2感染が確定した患者。PCR検査で初めて陽性になった日が記録されており、2020年4月22日までに30日以上追跡できていた1162人のCOVID-19患者を分析対象にした。1162人中110人は、初回陽性から9日後までの間に死亡していたため、ウイルス排除に関する分析の対象からは除外した。なお、10日目以降も62人が死亡したため、死者は計172人(14.8%)になった。

 1162人のうち、入院したのは577人(49.6%)で、救急部門を受診したが入院を免れた患者が232人(20.0%)、救急部門または病院を受診せずに、検査を受けた患者が353人(30.4%)いた。

 患者は1人当たり平均3回(範囲は1~9回まで)、鼻咽頭スワブの採取を受けていた。2回目のPCR検査は、初めて陽性となった時点から平均14.7日(SDは10.4日)後に行われており、その時点でも陽性となった患者には、それから14.0日(SDは8.0日)後に、引き続き陽性だった患者はさらに9.2日(SDは4.1)経過した後に再検査を受けていた。

 主要評価項目は、診断または発症から、PCR陰性までの時間に設定した。初回陽性から10日後以降に行われた検査で陽性なら、さらに7日以上待って再検査し、陰性なら48時間後以降に再度検査して、ウイルス排除を確認した。

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シリーズ◎新興感染症
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