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NEJM誌から
Novavax社のCOVID-19ワクチンフェーズ1試験
ナノ粒子ワクチンNVX-CoV2373の安全性と有効性を示唆

 米国Novavax社のC. Keech氏らは、同社が開発中のCOVID-19ワクチンNVX-CoV2373のフェーズ1/2試験を実施しており、フェーズ1段階で確認した有効性と安全性について、NEJM誌2020年9月2日号に報告した。

 NVX-CoV2373は、全長の野生型SARS-CoV-2の三量体スパイク糖蛋白をコードする遺伝子に組換えを施し、ワクチンとしてより有効性の高い配列にしてバキュロウイルスに組み込み、このウイルスをSf9昆虫細胞に感染させて、発現させた抗原からなる。昆虫細胞内で組換え遺伝子が発現すると、スパイク蛋白質は正しい3次元構造をとる。さらに、複数のスパイク蛋白質が、抗原部位が露出した状態で多量体を形成するよう設計されている。これを精製したものを、同社は、ナノ粒子ワクチンと読んでいる。Matrix-Mは、Novavax社が特許を有する、サポニン・ベースの免疫増強アジュバントで、高レベルの中和抗体の産生を促すために添加される。

 著者らは、NVX-CoV2373の安全性と免疫原性の評価を目的とする観察者盲検のフェーズ1/2試験を2020年5月26日に開始した。今回は報告されたのはフェーズ1部分の結果だ。

 組み入れ対象は、年齢18~59歳の健康な男性と妊娠していない女性で、BMIが17~35の人。SARSやCOVID-19の病歴がある人、スクリーニング検査で陽性になった人、COVID-19の診断確定者との接触があった人、暴露リスクの高い職業の人は組み入れから除外した。

 条件を満たした参加者を5種類のグループに1対1対1対1対1の割合でランダムに割り付け、21日間隔で2回筋注した。A:プラセボ群、B:アジュバントなしのワクチン25μgを2回接種、C:5μgのワクチン+アジュバントを2回接種、D:25μgのワクチン+アジュバントを2回接種、E:25μgのワクチン+アジュバントを単回接種(2回目はプラセボ)。プラセボには滅菌した生理食塩水を用いた。

 安全性の主要評価項目は、ワクチン接種(初回と21日後)から7日間の局所と全身の反応源性で、FDAの毒性グレードスコアに従って評価した。局所の反応は、痛み、圧痛、紅斑、腫脹とした。全身の反応は、発熱、吐き気や嘔吐、頭痛、疲労、倦怠感、筋痛、関節痛とした。副次評価項目は、接種から21日目の臨床検査値、MedDRA分類による初回接種から35日までの有害事象、重症度スコアとワクチンとの関連性、SARS-CoV-2感染を含む特定の有害事象、免疫系を介した反応などとした。

 参加者は接種後30分間は観察下に置かれ、接種から7日後まで日記を使って毎日の健康状態を記録してもらうことにした。

 免疫原性の主要評価項目は、rSARSCoV-2抗原蛋白に対するIgG抗体の反応をELISA法で測定した(0日、7日、21日、28日、35日)。免疫原性の副次評価項目は、野生株ウイルスに対する中和活性(0日、21日、35日)と、細胞内サイトカイン染色による抗原特異的CD4細胞で、ABCDの各群から4人ずつをランダムに選んで測定した(0日と28日)。IgG抗体と中和活性は、COVID-19の診断が確定した患者の回復期血清と比較した。

 5月27日から6月6日までに134人がランダム割り付けに参加した。実際に初回のワクチンを接種されたのは131人で、内訳はA群23人、B群25人、C群29人、D群28人、E群26人だった。3人を除くABCDの各群参加者は、21日後に2回目の接種を受けた。A群の2人は有害事象とは関連なく同意を撤回した。D群の1人は軽度の蜂巣炎を起こしていた。

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シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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