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Science誌から
感冒のウイルス感染がCOVID-19に影響する?
HCoVs感染によるメモリーT細胞がSARS-CoV-2のエピトープにも反応

 米国La Jolla Institute for ImmunologyのJose Mateus氏らは、末梢血単核細胞(PBMC)の実験系を用いてSARS-CoV-2のエピトープ(抗原決定基)を142種類同定し、これらの一部は、軽い感冒を起こす既知のコロナウイルス(HCoVs)に感染した際に生じたメモリーT細胞とも交差反応を起こすと報告した。結果はScience誌電子版に2020年8月4日に掲載された。

 米国、オランダ、ドイツ、シンガポール、英国の5カ国で行われた、SARS-CoV-2曝露歴のない人を対象にしたコホート研究で、SARS-CoV-2のゲノムシーケンスに相当するペプチドに反応するCD4+ T細胞が、20~50%の人に存在すると報告されている。HCoVsのゲノム配列には、SARS-CoV-2と相同の部分があるが、SARS-CoV-2を認識するT細胞が、HCoVsに感染することによって誘導された交差反応免疫によるものかどうかは明らかではない。

 著者らはまず、CD4+ T細胞が認識するSARS-CoV-2のエピトープのレパトアを同定しようと考えた。SARS-CoV-2のエピトープ候補となる474種類の15merペプチドを含むプールを作製し、2015年3月から2018年3月までに採取されていた血液標本から分離したPBMCをペプチドプールに作用させて、in vitroで2週間刺激した。この方法は、細菌やウイルスとの曝露によりまれに生じるT細胞(ナイーブT細胞も含む)の反応も検出できることが知られている。この実験に用いたPBMCドナーについては、抗SARS-CoV-2抗体を持たないことを確認してあった。

 SARS-CoV-2由来のエピトープに反応した細胞に対して、細胞内サイトカイン染色を行い、SARS-CoV-2抗原特異的なインターフェロンγの産生を検出したところ、それらはCD4+ T細胞であることが明らかになった。

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