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JAMA誌から
米国の学校閉鎖はCOVID-19対策に役立った
実施後に各州の発症率と死亡率は減少したが他の政策の影響は否定できず

 COVID-19パンデミックに対する対策の1つとして、有効性を示したエビデンスはないままに、世界各国で学校閉鎖が行われた。米国Cincinnati Children’s Hospital Medical CenterのKatherine A. Auger氏らは、小中学校の閉鎖がCOVID-19の流行に与えた影響を調べるために、全米50州の人口10万人当たりの発症率と死亡率を比較し、学校閉鎖が発症者と死者の減少に関連しており、累積発症者が少ない時期に学校閉鎖を実施した州ほど、大きな利益が得られたと報告した。結果はJAMA誌電子版に2020年7月29日に掲載された。

 米国では、各州がCOVID-19対策として、学校閉鎖や事業所の閉鎖、レストランやバーの閉鎖、集会の制限などを含む公衆衛生施策が行われた。学校閉鎖は50州すべてが実施したが、対策を開始した時期については州によって異なる。この対策は教育機会の損失など子供たちの発育に大きな影響を与えるため、著者らは学校閉鎖が感染抑制に及ぼす影響を検討することにした。

 2020年3月9日~5月7日の期間を対象に、住民ベースの時系列分析を実施した。この2カ月間に、全ての州が学校閉鎖を実施してから6週間のCOVID-19の発症率や死亡率の変動を調べることができた。

 学校閉鎖単独の影響を推定するために、各州で行われた他の感染予防のための政策なども組み入れた負の二項回帰モデルを分析に用いた。共変数として、学校閉鎖以外の公衆衛生施策(ステイホームの指示、事業所の閉鎖、レストランやバーの休業、10人以上の集会の制限など)、住民1000人当たりのSARS-CoV-2検査の実施件数、都市部の人口密度、肥満者の割合、15歳以下の小児の割合、65歳以上の高齢者の割合、住民1000人あたりの老人ホームの数、といった情報と、CDCのsocial vulnerability indexにおける各州のレベルを調べた。

 主要評価項目は、住民10万人当たりの1日のCOVID-19発症率と死亡率とした。

 学校閉鎖開始時点の州民10万人当たりのCOVID-19累積発症率は、0(ウェストバージニア州)から14.75(ワシントン州)の範囲だった。学校閉鎖の効果が現れる前のラグピリオドには、COVID-19発症率は増加しており、全州のデータを合わせると、1週間当たりの相対変化は265%(95%信頼区間231-303%)だった。

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