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JAMA Network Open誌から
COVID-19の流行は顔を触る動作を減らした
各国のビデオ映像を用いてマスク着用率と顔に触れる動作を流行前と比較

 中国中山大学附属第三病院のYong-Jian Chen氏らは、中国、日本、韓国、西欧、米国で、パンデミック前とパンデミック期間中のビデオ映像を比較する横断研究を行い、米国以外の国ではパンデミック期間中にマスクの着用率が増加しており、顔を触る動作は減少していたと報告した。結果はJAMA Network Open誌電子版に2020年7月29日に掲載された。

 WHOのCOVID-19予防ガイドラインは、眼、鼻、口を触らないようにし、フィジカルディスタンシングを実行し、頻繁に手を洗うことを推奨している。また、飛沫感染と接触感染を防ぐために、マスクの着用も推奨されている。しかし、健康な一般市民のマスク着用がCOVID-19予防に有効であることを示したエビデンスは十分にはない。

 そこで著者らは、一般の人々に対するマスク着用の指示が、マスクの着用率とSARS-CoV-2感染関連の行動に及ぼした影響を検討することにした。著者らは、マスクの種類とは関わりなく、公共の場所でマスクを着用すれば、顔を触る頻度が低下するのではないかと考えた。

 中国、日本、韓国、西欧(イングランド、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア)、米国の公共交通機関の駅、往来、公園で録画されたビデオを用いて、マスクの着用と顔を触る行為について検討した。対象とした動画は、その場所への旅行を促す目的や、地域のライフスタイルを紹介する目的で、個人またはマスメディアによって作製され、Youtube、Tencent、iQLYLにアップされていたものの中から選んだ。個人の顔が明瞭に映されており、手で顔に触れる動作、携帯電話その他の持ち物の使用や、食べている様子が識別できる画像を選んだ。

 COVID-19パンデミック以前の状態を示す動画は、2018年1月から2019年10月までに録画されたビデオの中から選んだ。パンデミック中の動画は、中国、日本、韓国では2020年2月から3月、欧州と米国では3月に録画されていたビデオから選出した。写っている個人の観察時間は1分以内とし、俳優が演じている動画は除外した。

 マスクの種類は、N95のようなレスピレーター、サージカルマスク、布マスクに分類した。鼻と口がカバーされている状態を適切なマスク着用とみなし、どちらかが露出している場合は不適切な着用とした。顔に触れる動作は、手で触れた場合、携帯電話その他のアイテムを使用した場合、何かを食べた場合と規定した。

 分析対象としたのは、中国のパンデミック前のビデオ14本(1551秒)、パンデミック中のビデオ21本(2413秒)と、日本のパンデミック前7本(429秒)とパンデミック中23本(920秒)のビデオ、韓国の2本(1200秒)と12本(299秒)、西欧の9本(1282秒)と3本(472秒)、米国の6本(545秒)と3本(357秒)のビデオだった。パンデミック前の計4699人とパンデミック中の計2887人が分析の対象になった。

 主要評価項目は、マスクを着用している人の割合と、顔(額、眼、鼻、頬、口)に手または物で触れる動作の発生率とした。

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