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Lancet誌から
英国のCOVID-19ワクチンのフェーズ1/2試験
効果が期待される結果でフェーズ3試験に進む

 英国Oxford大学のPedro M Folegatti氏らは、同大学とAsreaZeneca社が臨床開発を推進しているCOVID-19ワクチンAZD1222(以前の開発コードはChAdOx1 nCoV-19)に関する単盲検のフェーズ1/2試験の速報をまとめ、接種を受けた多くの人が液性免疫と細胞性免疫の両方が刺激されていたと報告した。結果はLancet誌電子版に2020年7月20日に掲載された。

 AZD1222は、チンパンジー由来の複製欠損型アデノウイルスベクターとSARS-CoV-2のスパイク蛋白質を組み合わせたワクチンだ。フェーズ1/2試験は、英国内の5施設で行われている。髄膜炎菌ワクチン(MenACWY)を対照群としてランダム割り付けを行い、免疫原性と安全性を調べる試験だ。

 試験参加者は18~55歳までの成人で、SARS-CoV-2感染歴が無い、またはCOVID-19様の症状を経験していない健康な人とした。事前に病歴聴取と診察を行い、血液検査と尿検査を実施してスクリーニングした。SARS-CoV-2曝露リスクが高い医療従事者や、診断が確定した患者と接触歴がある人などは除外した。

 条件を満たした人々を1対1の割合で、AZD1222またはMenACWYにランダムに割り付けた。AZD1222群は5×1010ウイルス粒子を、MenACWY群は標準用量の0.5mLを、参加者の三角筋に単回筋注した。またAZD1222群のサブグループ10人には、ワクチンのブースター効果を検討するために、28日間隔で2回接種した。接種直後の有害事象をチェックするために、30~60分はクリニックにとどまり観察を受けた。参加者は全員、接種前と28日後に血液検査を受け、有害事象を調べた。追跡は184日後と364日後にも行われる。

 参加5施設中2施設で、5月6日にプロトコールが修正され、発熱や痛みを軽減するためのアセトアミノフェンの予防投与を両群の参加者に行うこととした。

 細胞性免疫応答には、ELISpot法を適用して、スパイク蛋白質に特異的なT細胞からのインターフェロンγの産生を評価した。

 液性免疫応答の評価には、スパイク蛋白質三量体に対するIgG抗体を検出するELISA法と、スパイク蛋白質と受容体結合ドメインに対するIgG抗体を検出するMeso Scale Discovery multiplexed Immunoassay(MIA)キットを用いた。感染性を有するSARS-CoV-2に対する中和活性の評価には、プラーク減少中和検査(PRNT IC50)と、マイクロ中和検査(MNA IC50、IC80、IC90)、マールブルグ・ウイルス中和検査、シュードウイルス中和検査を用いた。中和活性の評価には手間が掛かるため、登録した全員を対象とせず、主にAZD1222群からランダムにサンプルを選んで実施した。抗体価の比較の対象として、成人のCOVID-19確定例から回復期血漿を得て、同様に分析した。

 主要評価項目は、症候性のCOVID-19確定例の発生と安全性(重篤な有害事象の発生を指標に評価)に設定された。副次評価項目は、安全性、反応源性、免疫原性などに設定されており、今回は副次評価項目の一部に関する予備的な結果を報告している。分析対象は、割り付けられたワクチンの接種を受けた人々とした。

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