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BMJ誌から
ソーシャルディスタンスはどのくらい有効か?
政策介入により149カ国のCOVID-19新規発症者を13%減らしたと推定

 英国Oxford大学のNazrul Islam氏らは、COVID-19パンデミックに対して、世界各国が実施したフィジカルディスタンス(またはソーシャルディスタンス)政策とCOVID-19の発症率を検討するために分割時系列解析を行い、学校の閉鎖、職場の閉鎖、公共イベントや集会の制限、都市封鎖(ロックダウン)などの方法は、世界的な発症率減少に寄与していたと報告した。結果はBMJ誌電子版に2020年7月15日に掲載された。

 世界のほとんどの国が、COVID-19発症者が増加した時期に、フィジカルディスタンスを目的とする介入を実施しているが、こうした介入の有効性に関する検討のほとんどは、モデルを用いて行われてきた。実際に各国で得られた利益や、遵守度などに関するデータはわずかしか報告されておらず、フィジカルディスタンスのための具体的な方法をどう組み合わせれば、効果がより高くなるのかも明らかではなかった。

 そこで著者らは、European Centre for Disease Prevention and Controlが集計した世界各国の毎日のCOVID-19発症者数と、Oxford covid-19 Government Response Trackerから得た、それらの国のフィジカルディスタンス政策に関するデータを分析することにした。また、各国の人口動態統計や高齢者の割合、国民1人当たりのGDP、Johns Hopkins大学が開発した2019 Global Health Security Index(HSI:パンデミックに対する準備度を評価する指標)などの資料も集めた。

 主要評価項目は、介入前後のCOVID-19発症率比とした。2020年5月30日、または介入開始から30日後のいずれか早い時点までのデータを用いて分析した。ウイルスの潜伏期間を考えて、フィジカルディスタンス政策の実施7日後から介入の効果が現れると仮定した。

 2020年1月1日から5月30日までの期間に、5項目のフィジカルディスタンス政策(学校閉鎖、職場閉鎖、公共交通機関の運行停止、集会やイベントの制限、自宅待機と移動制限によるロックダウン)を少なくとも1つ以上、最短でも7日間以上実施していた、149の国または地域を対象にした。ベラルーシとタンザニアを除く全ての国が5項目のうち3項目以上を実施していた。5項目を全て実施したのは118カ国だった。

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