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JAMA誌から
米国のワクチン開発支援プロジェクトの概要
6月に有望なSARS-CoV-2ワクチン候補を5つに絞り込む

 SARS-CoV-2に対する集団免疫をもたらす唯一の方法は、安全で有効なワクチンの広範な接種であることは明らかだ。これまでは、ワクチンの開発に15年から20年を要してきたが、COVID-19との闘いにおいては、これを1年から1年半に短縮する必要がある。そこで米国保健福祉省(HHS)は、政府と業界が協力して進めるSARS-CoV-2ワクチン開発プロジェクトOperation Warp Speedを開始した。Philadelphia小児病院のKevin P. O’Callaghan氏らは、その概要と現状をJAMA誌電子版Viewpointに2020年7月6日に報告した。

 Operation Warp Speedの目標は、米国民に対して、安全で有効なSARS-CoV-2ワクチンを2021年1月までに3億回分提供することに置かれている。約100億ドルを拠出し、複数の有望なワクチン候補の開発から承認、量産、備蓄を支援するという大がかりな計画は、2020年4月の発表当初は125のワクチン候補を対象としていた。しかし、5月の段階で14の候補を選出、さらに6月には下記の5製品候補にまで支援対象を絞り込んだ。5製品候補は全て、SARS-CoV-2のスパイク蛋白質表面に存在する受容体結合部位に対する抗体の誘導をめざしている。

 現在、SARS-CoV-2ワクチン候補として注目されているのが、これまで商品化されたことのない、mRNAワクチンだ。ウイルス抗原をコードするmRNAをヒト細胞に送達して、そこで抗原の産生を誘導する。mRNAの弱点は、細胞外に存在するRNA分解酵素に曝露すると速やかに分解されることにあり、これを回避するために複雑な脂質送達系を必要とするが、これまでに有効性が確立された送達システムはなかった。Operation Warp Speedの対象に選ばれたmRNAワクチンは次の2つだ。

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