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Lancet Psychiatry誌から
COVID-19患者の神経・精神合併症は多様
英国で専門家に協力を呼びかけデータを集めるポータルサイトを構築

 英国Southampton大学病院のAravinthan Varatharaj氏らは、COVID-19患者の神経系合併症について調べるため、脳血管疾患、精神疾患、末梢神経疾患の患者データを集めて解析するためのポータルサイトを立ち上げ、各分野の専門医が登録してくれた153例のデータを分析して、Lancet Psychiatry誌電子版に2020年6月25日に報告した。

 COVID-19の流行が世界に広がるにつれ、初期に報告された味覚・嗅覚障害だけでなく、脳炎を起こした患者や、ギラン・バレー症候群なども見つかるようになった。それらの大半は少人数の症例報告だったため、著者らはCOVID-19患者の神経系合併症に関する情報を収集し、臨床特性を総合的に分析することが重要だと考えた。

 そこで著者らは、英国内の主要なニューロサイエンス団体(Association of British Neurologists;ABN、British Association of Stroke Physicians;BASP、Royal College of Psychiatrists;RCPsychなど)から迅速に症例報告を受けるためのオンラインネットワークを構築し、各団体にポータルサイトを設けて、それらの団体に所属する専門家たちから症例報告を受けることにした。

 COVID-19患者に見られた広範な臨床症状は、以下のように分類した。脳血管イベント(脳梗塞、脳出血、脳実質やくも膜下腔を含む血栓性血管イベント)、精神状態の変容(人格、行動、認知、意識の急性の変化)、末梢神経障害(神経根、末梢神経、神経筋接合部、筋肉に発生したもの)、その他(自由記入)。

 医師には症例を前向きに報告するよう求めたが、初回受診日や入院日が明らかな症例については後ろ向きに報告することも認めて、ポータルサイト利用開始前の患者の情報も収集した。患者に複数の神経症状(例えば脳炎と痙攣発作)が認められた場合、基礎疾患(脳炎)と2次的な合併症(痙攣発作)に整理することを試みた。

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