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COVID-19がもたらした医師の収入減(その3:国公立病院勤務医編)
転職したいけど…「動くに動けない状況」

 ある国公立系の病院に呼吸器内科医として勤務する50歳代のE氏は3月、「年度末の賞与ゼロ」を病院幹部から通達された。「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で入院、外来ともに患者数が激減し、4月や5月は以前の6割程度だった。現在、巻き返しを図っているが、まだまだ患者数は少ない」とE氏は語る。夏の賞与に関してはまだ提示を受けていないが、年度末の賞与ゼロを月額ベースに直せば数万円の減収になる。

 実はE氏は、COVID-19の流行が始まる前から転職を検討していた。「そもそも自分が担当している患者数が少なく、年齢や立場、やりがい、収入面などから考えて、このままではいけないと考えていた」(E氏)。実際、4月頭には、ある転職支援会社にコンタクト。「まずは情報を集めたい」とE氏が担当者に連絡したところ、「ゴールデンウイーク明けくらいにまた連絡します」というメールが来て以来、連絡が途絶えたという。「コロナ禍で医師から転職の問い合わせが一気に増えていて、まだ情報収集段階の自分への対応は後回しにされたのだろう」とE氏は分析する。

 ただ、しばらくしてE氏には若干の心変わりが生じてきたという。「今は医療業界全体で収益が悪化している。ここで下手に動いたら、転職に失敗するどころか、失職しかねない状況ではないか」。COVID-19の医療機関経営への影響がどれほど続くのか、少なくとも秋頃までは情勢を伺いながら、今後の身の振り方について改めて検討するつもりだ。

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