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Lancet Rheumatology誌から
mavrilimumabがCOVID-19患者の炎症回復に有望
抗GM-CSF受容体α抗体のmavrilimumabを投与した臨床試験

 イタリアVita-Salute San Raffaele大学のGiacomo De Luca氏らは、COVID-19で全身性の過剰炎症がある成人患者に対して、標準治療に加え、顆粒球単球コロニー刺激因子(GM-CSF)受容体αのモノクローナル抗体mavrilimumabを追加すると、臨床アウトカムの改善が見られたと報告した。結果はLancet Rheumatology誌電子版に2020年6月16日に掲載された。

 COVID-19発症者の一部に、サイトカインストームに似た、全身性の過剰な炎症反応が生じることが明らかになってきた。過剰炎症反応が生じた患者の死亡リスクは高い。GM-CSFは、炎症反応の調節に重要な役割を果たすサイトカインだ。GM-CSF受容体αにリガンドが結合すると、複数の炎症誘発性の経路が活性化され、TNF、IL-1、IL-6、IL-23、IL-12などのサイトカインの分泌が促される。さらには、骨髄細胞の活性化と分化に影響する複数の信号伝達経路も刺激される。通常なら血中のGM-CSF濃度は低いが、炎症が起こると上昇する。体内では、線維芽細胞、内皮細胞、マクロファージ、樹状細胞、T細胞、好中球、好酸球、腫瘍細胞など複数種類の細胞が、異なる場所でそれぞれGM-CSFを分泌している。

 mavrilimumabはGM-CSF受容体αと結合するモノクローナル抗体で、シグナル伝達を阻害する。既に関節リウマチの患者に対する臨床試験で、フェーズ2試験までの有効性と安全性が報告されている。他の免疫修飾療法よりも重篤な感染症の有害事象が少ないことから、著者らは全身の炎症反応が亢進しているCOVID-19患者の治療に役立つかどうかを検討することにした。

 対象は、PCR検査でCOVID-19の診断が確定し、イタリアのSan Raffaele病院に入院した18歳以上の患者で、胸部X線やCTで肺両側に浸潤影があり、PaO2:FiO2≦300で、CRP≧100mg/Lまたはフェリチン≧900μg/Lで乳酸脱水素酵素(LD)が増加している炎症反応がある人。既にICUで機械的換気を受けている患者、細菌感染を起こしている患者、ステロイドや免疫修飾薬の治療を受けている患者は除外した。対照群は、同時期に入院した患者で標準治療を受けているが、治験薬不足のために使えなかったり、同意が得られなかった患者とした。

 標準治療は、ヒドロキシクロロキン経口薬200mg/日、アジスロマイシン静注薬500mg/日(尿中レジオネラ抗原陰性が確認されるまで)、ロピナビル/リトナビル400/100mgを1日2回投与され、非侵襲的な酸素補充療法を実施した。条件を満たした介入群の患者には、標準治療に加えてmavrilimumab 6mg/kgを単回静脈内投与した。臨床アウトカムは、mavrilimumab投与日、または対照群としての基準を満たした日から28日間追跡した。

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