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Lancet誌から
COVID-19死亡患者に脳炎と髄膜炎見つかる
ドイツで死亡した患者6人の剖検結果

 ドイツ初のCOVID-19患者が入院して以来、Munich市民病院は690人超のCOVID-19入院患者の治療に当たってきた。うち103人がICUに入院し、63人が死亡し、587人が回復して退院した。同病院のClaus Hann von Weyhern氏らは、4月にCOVID-19により死亡した6人の剖検結果をLancet誌電子版のCorrespondenceに2020年6月4日に報告した。全員に脳炎と髄膜炎が認められ、65歳未満の3人の死因は凝固線溶異常と関係していたという。

 ドイツでも、高齢で併存疾患を有するCOVID-19患者の死亡リスクは高かった。しかし、併存疾患の無い若い患者が急速に悪化し、死亡するケースも見られた。COVID-19患者の主な死因は肺の機能不全と心不全だが、この疾患の悪化の病理学的な詳細は不明だ。最近は、一部の患者に凝固異常が起きていることに注目が集まっていた。

 著者らは、同病院で4月にCOVID-19により死亡した6人(58歳男性、59歳男性、64歳男性、74歳女性、79歳女性、82歳男性)の患者の剖検結果をまとめた。患者の発症から入院までの期間の中央値2~10日だった。5人の患者は入院から2日以内にICUに移動した。全員が機械的換気またはECMOを必要とした。

 65歳超の患者はすべて併存疾患を複数有しており、死因は心肺の機能不全と見なされた。一方で65歳未満の患者は、2人が頭蓋内の大量出血、1人は肺塞栓により死亡しており、COVID-19関連の凝固線溶異常が死亡に関係していた。これら3人の患者の脳には、びまん性の点状出血が全体に認められた。しかし、65歳超の患者にも65歳未満の患者の両方に、リンパ球性の脳炎と髄膜炎が存在していた。

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