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緊急寄稿◎新型コロナへのBCG仮説を中心に諸因子を考える
新型コロナ、日本の低い死亡率は“幸運”だから?
徳田均(JCHO東京山手メディカルセンター)

2020/06/16

とくだ ひとし氏○1973年東京大学卒。癌研究会付属病院(現、がん研有明病院)、結核予防会結核研究所付属病院(現、複十字病院)などを経て、1991年より社会保険中央総合病院(現、JCHO東京山手メディカルセンター)呼吸器内科部長。現在も非常勤ながら臨床の最前線に立ち続けている。(写真:秋元 忍)

 わが国の新型コロナ感染症(COVID-19)の第1波が収束した今、日本の死亡率が欧米に比し2桁少ないことが世界的な注目を集めている。その説明として、日本人特有の生活習慣、遺伝子素因、行政の取り組み、医療体制などが挙げられている。それぞれについて今後の綿密な評価、研究が期待される。しかし一般的に言って、これらの因子が単独では若干の差をもたらすとしても、2桁もの差を生み出すとは考え難い。複数の因子の複合と考えるべきだろう。

 地球全体に視野を広げて見ると、COVID-19の人口100万人当たりの国別死亡率には驚くべき差がある。西欧諸国、北米などでは軒並み3桁である一方、日本を含む東アジア諸国、中東の一部の国々などでは1桁である。実に100倍の差である。また中東、ロシア、東欧などは、その中間の2桁である(表1)。

表1 国別BCG接種とCOVID-19死亡率(筆者調べ)

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