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Lancet Infectious Disease誌から
PCRで検出できないSARS-CoV-2変異の可能性
流行当初のPCR検査用のプライマーでは一部の変異株を見落とす

 SARS-CoV-2遺伝子の塩基配列に突然変異が起こり続けるなら、やがて流行開始当初からRT-PCR検査に使われているプライマーやプローブは、変異後のウイルスの塩基配列とマッチしなくなる可能性がある。ポルトガルMinho大学のNuno Sampaio Osorio氏らは、GISAID databaseに報告された1825件のSARS-CoV-2遺伝子塩基配列を調べ、1塩基以上の突然変異は79%に起こっており、3塩基置換を起こしたウイルス株も14%見つかったと報告した。結果はLancet Infectious Disease誌電子版に2020年5月28日に掲載された。

 著者らは、2020年3月30日までにゲノムデータ共有プラットフォーム であるGISAIDに登録されていた、世界各国の1825人の患者に由来する信頼性の高いSARS-CoV-2ゲノム配列を入手した。それらの配列を、武漢海鮮市場で肺炎を起こした患者から分離されたWuhan-Hu-1株と比較することにした。

 次にSARS-CoV-2を検出するRT-PCRに用いるために様々な施設で開発され、WHOによって公開されているプライマーやプローブが結合する部位の33個のオリゴヌクレオチドの塩基配列を注記した。

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シリーズ◎新興感染症
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