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Lancet Child & Adolescent Health誌から
敗血症性ショックを起こした小児のCOVID-19患者
炎症マーカーが上昇し腹痛を訴える肥満の小児に要注意か?

 小児は成人よりCOVID-19にかかりにくく、重症になることはまれだ。スイスGeneva大学のCecilia Dallan氏らは、敗血症性ショックを起こした小児のCOVID-19患者3例について、臨床的特徴を報告した。結果はLancet Child & Adolescent Health誌電子版に2020年5月19日に掲載された。

 2020年4月30日までに、小児患者に1199回のPCR検査を実施して、57人が陽性となった。このうち3人が敗血症性ショックを起こし、うち2人は多臓器機能障害症候群(multiple organ dysfunction syndrome;以下MODS)に該当すると考えられた。

 患者1は、ヒスパニック系の12歳男児で、肥満と軽症の喘息を有していた。診察の時点で、発熱、嚥下痛、咳、呼吸困難、頭痛を訴えたが、診察では軽症と見なされた。血圧は109/52で、酸素飽和度は97%で、呼吸数は34回/分、頻脈(150拍/分)が認められ、体温は39.5℃だった。両側肺底部に低換気状態が認められたが喘鳴はなく、陥没呼吸もなく、サルブタモールの試験投与には反応しなかった。

 救急部門の滞在中に頻脈が170回/分まで悪化し、末梢冷感、毛細血管再充満時間遅延(6秒)、乳酸値の上昇(4.1mmol/L)を伴う代償性ショックの徴候を示した。晶質液のボーラス投与を行ったところ、適切に反応した。検査値は炎症マーカーの上昇を示さなかったが、リンパ球減少症は認められた。胸部X線画像に顕著な特徴は見られなかった。鼻咽頭スワブはPCR検査で陽性だった。その後8時間の間に症状は改善し、患者は退院して自宅に帰った。血液培養は陰性で、最終的な診断はCOVID-19による代償性の敗血症性ショックとした。

 3日目に患者は救急部門を再受診した。おそらくCOVID-19と関係すると思われる痒みの強い斑状丘疹が体幹と腕に生じていた。入院は不要と判断して患者を自宅に帰し、その後電話による追跡を行ったが、さらなる治療は不要だった。

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