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Lancet Respiratory Medicine誌から
COVID-19患者の急性腎障害管理
COVID-19患者のAKIについてこれまで報告されたデータを整理

 イタリアPadova大学のClaudio Ronco氏らは、COVID-19患者に発生する腎機能の低下について、これまでに得られている知見を整理し、臨床経験に基づく急性腎障害(AKI)予防と治療に関する一連のアドバイスをLancet Respiratory Medicine誌電子版のviewpointに投稿し、5月14日に公開された。

 COVID-19で入院する患者の40%超が、入院時に蛋白尿を示したという報告がある。また、重篤化したCOVID-19患者には、AKIがしばしば認められる。欧米では、重篤化しICUに入院した患者の20~40%がAKIを発症したという。

 COVID-19患者の多くは軽症でそのまま回復するが、おおよそ5%が、ARDS、敗血性ショック、多臓器不全などを発症し、重症となる。AKIは多臓器不全と重症度のマーカーであり、死亡の予測因子であると考えられている。ICUに入院した患者のおおよそ20%は、発症から中央値15日でRRTを必要とする。腎機能の変化を早期に発見し、予防的および治療的な介入を行うことが、合併症と死亡のリスク低減において重要だ。

 COVID-19とAKIの関わりは、複数の要因が考えられている。その1つが心腎症候群で、COVID-19肺炎に続く2次的な右室機能障害による血流うっ滞と、左室機能障害による心拍出量低下がAKI発症につながるというものだ。解剖データでは、肺と腎臓の内皮細胞が感染の影響を受けており、これが蛋白尿につながることが示唆されている。腎臓の内皮細胞にウイルス粒子が見つかったため、ウイルス血症がAKIの引き金になることが考えられる。

 考えられるもう1つのメカニズムは、SARS-CoV-2に対する免疫応答異常で、リンパ球減少とサイトカインストームを起こすというものだ。さらに凝固能高進による血栓形成、マクロファージ活性化症候群、横紋筋融解症などがAKIを重症にするメカニズムにつながる可能性がある。

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