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Lancet誌から
イタリアで川崎病様疾患患者が急増
過去5年間に比べCOVID-19の流行期間中の患者数が30倍に

 イタリアPapa Giovanni XXIII病院のLucio Verdoni氏らは、同国ロンバルディア地方でCOVID-19の流行期間中に、川崎病と同様の特徴を示す小児患者が増えており、過去5年間に同病院の小児科に入院した川崎病患者の約30倍の頻度に増加したと報告した。状況はLancet誌電子版に2020年5月13日に掲載された。

 川崎病は、通常は自己限定性の疾患で、ほぼ小児のみが罹患する。急性期には血行動態が不安定になって、川崎病ショック症候群(KDSS)として知られる症状を発症することがある。また、二次性血球貪食性リンパ組織球症に似たマクロファージ活性化症候群(MAS)を発症する場合もある。川崎病の原因は今も不明だが、感染をきっかけとして発症する可能性が示されている。

 著者らは、ロンバルディア地方の都市ベルガモのPapa Giovanni XXIII病院の小児科に入院した、新規発症の川崎病様疾患の患者について後ろ向きに分析した。同病院は地域の小児科基幹病院として3次医療を担当している。COVID-19流行開始以降に発症した患者(グループ2)と、流行前の5年間に発症した人々(グループ1)の情報を比較することにした。

 川崎病様疾患の患者は、米国心臓協会(AHA)川崎病ガイドライン2017年版に基づいて、川崎病として管理した。KDSSは、循環機能障害を指標に診断し、MASはPRINTO(Paediatric Rheumatology International Trials Organisation)の基準に沿って診断した。

 川崎病と診断された患者全員に免疫グロブリン療法を適用した。小林スコアが5点未満の患者にはアスピリン50~80mg/kg/日を5日間投与した。小林スコアが5点以上の患者には、アスピリン30mg/kg/日+メチルプレドニゾロン2mg/kg/日を5日間投与し、その後2週間かけてメチルプレドニゾロンを減量した。アスピリンは、原則として解熱から48時間後まで投与し、それ以降は3~5mg/kgを8週間投与した。

 SARS-CoV-2の感染は、鼻咽頭スワブと口咽頭スワブを対象とする定量的PCR検査により検出し、過去のSARS-CoV-2感染の有無を知るために、定性的な抗体検査を行ってIgMとIgGを検出した。

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シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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