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Lancet誌から
3剤併用療法はCOVID-19患者の回復を早める
ロピナビル/リトナビル・リバビリン・IFNβ-1bの併用とロピナビル/リトナビル単剤の比較

 香港Queen Mary HospitalのIvan Fan-Ngai Hung氏らは、IFNβ-1b、ロピナビル/リトナビル、リバビリンの3剤併用療法のCOVID-19に対する有効性と安全性を評価するためにオープンラベルのランダム化フェーズ2試験を香港の6病院で実施し、ロピナビル-リトナビル1剤を用いた対照群よりも入院期間を短縮できたと報告した。結果はLancet誌電子版に2020年5月8日に掲載された。

 著者らは2003年に、SARS入院患者を対象にオープンラベルの試験を行って、ロピナビル/リトナビルとリバビリンの併用が、患者の死亡率と侵襲的な換気の必要性を減らすことを報告した。また、齧歯類モデルを用いた実験で、ロピナビル/リトナビルやインターフェロンβが体内のウイルス量を減らし、肺の病変を軽減することも示していた。そこで著者らは、COVID-19患者に3剤を併用するフェーズ2試験を行うことにした。

 対象は、2020年2月10日以後に香港の6病院に入院した18歳以上のCOVID-19患者で、診断が確定した人。発症から14日以内で、重症度を示すNational Early Warning Score 2 (NEWS2)が1以上の場合とした。

 条件を満たした患者は2対1の割合で、3剤併用群または対照群にランダムに割り付けた。併用群には、ロピナビル400mg+リトナビル100mgを12時間ごとに投与、リバビリン400mgを12時間ごとに投与、IFNβ-1b 800万単位の皮下注射を隔日投与した。IFNβ-1bは、発症から投与開始までが1~2日だった患者は計3回、3~4日なら計2回、5~6日なら1回投与し、発症から7~14日の間に登録された患者には投与しなかった。対照群には、ロピナビル400mg+リトナビル100mgを12時間ごとに14日間投与した。両群ともに、入院から48時間以内に投与を開始した。両群の患者とも、必要に応じて酸素療法や細菌の2次感染に対する抗菌薬治療など、標準治療を適用した。

 心電図でQT延長、脚ブロック、徐脈が新たに見つかった場合、ALT値が正常上限の3倍を超えた場合は、ロピナビル/リトナビルを1日1回に減量した。ALT値が正常上限の6倍を超えた場合は、ロピナビル/リトナビルを中止することにした。

 主要評価項目は、鼻咽頭スワブを対象とするRT-PCR検査でSARS-CoV-2陰性になるまでの時間とした。副次評価項目は、治療開始からNEWS2のスコアが0の状態が24時間持続するまでの時間、毎日評価したNEWS2スコアとSOFAスコアの経時的な変化、入院期間、30日死亡率などとした。

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シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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