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Ann Intern Med誌から
COVID-19死亡患者12例の剖検で58%にDVTあり
RT-PCR検査を行った10人中6人に中等度のウイルス血症

 ドイツHamburg-Eppendorf大学医療センターのDominic Wichmann氏らは、COVID-19により死亡した連続する患者12人の剖検を実施して、7人(58%)の患者に深部静脈血栓塞栓症(DVT)を認め、COVID-19による凝固異常が死亡に影響している可能性を示した。結果は、Ann Intern Med誌電子版に2020年5月6日に報告された。

 これまでに行われた研究では、Dダイマー値の上昇やSOFA(Sequential Organ Failure Assessment)スコア高値、高齢などが、COVID-19の重症化の危険因子であることが示唆されていた。しかし、COVID-19で死亡した患者の正確な死因については、ほとんど明らかになっていない。剖検は、SARS-CoV-2の生物学的特性を理解し、COVID-19の発生機序を知るために極めて重要だ。

 著者らは、ハンブルグ州当局からの命令を受けて、州内初のCOVID-19による死者から、連続する12人のCOVID-19死亡例の剖検を1施設で行い、死因の決定と病理学的変化の記述における剖検の意義を検討した。全員が、PCR検査によりSARS-CoV-2陽性が確定していた患者だった。死後の全身CT検査、胸部の高分解能CT検査、組織病理学的評価、ウイルス学的評価などを含む全身の解剖を実施し、臨床データ、臨床経過と照合した。

 死亡からCT検査と剖検までの日数は1~5日だった。剖検中に病理標本を採取した臓器は、心臓、肺、肝臓、腎臓、脾臓、膵臓、脳、男性では前立腺と睾丸、女性では卵巣、小腸、伏在静脈、総頸動脈、咽頭、筋肉で、ホルマリン固定しヘマトキシリン・エオジン染色した。肺の標本は免疫組織染色も行った。ウイルス学的検査のための標本は、心臓、肺、肝臓、腎臓、伏在静脈、咽頭から採取し、静脈血も得た。標本から核酸を抽出し、RT-PCRによりウイルスRNAを定量した。

 12人の患者の年齢の中央値は73歳で、3人が女性だった。全員に何らかの慢性疾患があり、肥満、冠動脈疾患、喘息またはCOPD、末梢動脈疾患、2型糖尿病、神経変性疾患などだった。12人中2人は院外で重篤な状態になり、心肺蘇生を受けたが死亡した。10人は院内死亡例で、5人はICU入院後に、残りの5人は一般病棟で最善の支持療法を受けたが死亡した。院外で死亡した2人には、検査を行うことができなかった。

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