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NEJM誌から
若いCOVID-19患者が大血管閉塞による脳梗塞
過去1年間に比べ、50歳未満の脳梗塞患者の受診が2週間当たりで6.8倍に

 米国Mount Sinai Health SystemのThomas J. Oxley氏らは、大血管閉塞による脳梗塞でMount Sinai Health Systemを受診した50歳未満の5症例の概要を、NEJM誌電子版に2020年4月28日に報告した。5人は全員がSARS-CoV-2に感染していた。

 2020年3月23日から4月7日までの2週間に、50歳未満の5人のCOVID-19患者が大血管閉塞による脳梗塞を新たに発症した。同システムの医療機関では、50歳未満の大血管閉塞による脳梗塞患者の受診者数は、過去12カ月間では2週間当たりの平均値で0.73人だった。5人の受診時のNIHSSスコアの平均は17で、重症の大血管閉塞による脳梗塞と診断された。脳梗塞歴を持っていた患者は1人だけだった。

 患者の臨床特性を以下に記載する。

患者1
 それまで健康だった33歳女性。脳梗塞歴はなく、脳梗塞の危険因子もなかった。咳、頭痛、悪寒が1週間続いていた。進行性の構音障害が現れ、左腕と左脚にしびれと脱力が進行した。COVID-19に対する恐れから受診するのが遅れ、発症から28時間後に病院の救急部門を受診した時点で、NIHSSスコア(スコア幅は0から42で、高スコアほど重症度は高い)は19だった。受診時のDダイマー値は460ng/mL、フェリチン値は7ng/mLだった。

 頭部CT検査とCT血管造影の結果は、右中大脳動脈の部分的な梗塞と、右頸動脈分岐部に血栓による不完全閉塞が認められた。CT血管造影で、両肺尖部に斑状のすりガラス影が認められたため、検査を行ったところ、SARS-CoV-2陽性であることが明らかになった。抗血小板療法を開始し、その後、アピキサバンによる抗凝固療法に切り替えた。心エコーと頭頸部MRI検査を行ったが、血栓源は明らかにならなかった。

 入院から10日目にCT血管造影を行ったところ、血栓は完全に溶解していた。14日目のNIHSSスコアは13だった。患者は退院して、リハビリ施設に入所した。

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シリーズ◎新興感染症
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