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Lancet Rheumatology誌から
COVID-19を発症したリウマチ患者のレジストリ
最適なケアを可能にするための情報収集

 炎症性リウマチ疾患患者は、COVID-19に対して特別の注意が必要だ。米国California大学San Francisco校のMilena A Gianfrancesco氏らは、国際的なリウマチ学コミュニティーがCOVID-19 Global Rheumatology Allianceを結成し、COVID-19を発症したリウマチ疾患患者の症例データの収集を開始し、当初の1週間で100人を超える患者の情報が世界各国から寄せられたことをLancet Rheumatology誌電子版に2020年4月16日に報告した。

 世界的な協力の目的は、個々の患者への最適なケアの提供を可能にする情報収集にある。リウマチ患者の多くは、自己免疫疾患による免疫系の異常や、生物製剤などの免疫調節薬の使用により、重篤な感染症のリスクが高い状態にある。一方で、ヒドロキシクロロキンのようなリウマチ治療薬の一部は、COVID-19治療薬として有望と見なされて、有効性評価の対象となっている。また、IL-6阻害薬のトシリズマブやサリルマブ、IL-1阻害薬のアナキンラといったリウマチ疾患治療薬が、サイトカインストームのような病原性免疫反応を呈するCOVID-19患者の治療に役立つ可能性が示され、一部の患者に投与され始めている。

 免疫抑制療法がリウマチ患者のSARS-CoV-2感染リスクを増やすのか減らすのかは不明で、COVID-19パンデミック期間中の、リウマチ疾患に対する治療薬の選択に役立つエビデンスはない。リウマチ疾患患者がCOVID-19を発症した場合の一般的な特徴について理解することが、転帰不良となるリスクが高い患者を同定し、治療を適切に行うために欠かせない。そこで、世界のリウマチ学者や研究者、さらにはリウマチ疾患の患者が立ち上がった。多様な構成員からなる国際的なリウマチ学コミュニティはCOVID-19 Global Rheumatology Allianceを結成し、数日のうちにオンラインポータルを立ち上げ、症例報告フォームの提供を開始して、世界の医療従事者が、COVID-19と診断されたリウマチ疾患患者の情報を入力できるようにした。

 症例報告フォームには、情報提供者の氏名、居住国、居住都市、クリニック、個々の患者の社会人口学的特性(年齢、性別、人種など)、COVID-19発症前に使用していた治療薬、疾患活動性、併存疾患、COVID-19診断日、症状、適用された治療、アウトカム(入院の有無や機械的換気の必要性など)や、検査値(IL-6濃度、白血球数など)、重複感染の有無などを記入する。

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