日経メディカルのロゴ画像

NEJM誌から
レムデシビルを投与されたCOVID-19患者の転帰
未承認薬の人道的使用で53人中36人(68%)に臨床的改善

 米国Cedars Sinai Medical CenterのJonathan Grein氏らは、入院している重症COVID-19患者に対する未承認薬の人道的使用として、北米、欧州、日本で1月25日~3月7日までにレムデシビルを投与された患者の治療成績について、NEJM誌電子版に2020年4月10日に報告した。

 レムデシビルは、核酸アナログのプロドラッグで、ウイルスのRNAポリメラーゼを阻害する。これまでに、動物モデルを用いた実験では、エボラウイルスや、SARS、MERSの予防と治療に有用であることが示唆されていた。in vitroでは、SARS-CoV-2にも作用することが確認されており、健常人ボランティアやエボラウイルス感染者など、おおよそ500人にこれを投与した研究で、臨床的な安全性も示されていた。

 1月25日に臨床医たちから人道的使用の要望を受けたGilead Sciences社は、レムデシビルの供給に応じることにした。対象にしたのは、RT-PCR検査でSARS-CoV-2感染の診断が確定している入院患者で、室内気での酸素飽和度が94%以下、または酸素療法が必要だった患者。加えて、クレアチニン・クリアランスが30mL/分を上回り、血清ALTとASTの値が正常域上限の5倍未満であり、COVID-19に対して研究に用いられている他の薬を使用しないことに同意した人々とした。

 条件を満たして承認された症例には、10日間にわたってレムデシビルを投与した。1日目は200mg、2日目以降は100mgを静脈内投与した。担当医の判断で支持療法も併用した。追跡は、退院または死亡するまで、もしくは投与開始から28日以上にわたって行った。今回は、2020年3月30日までのデータを報告している。

 あらかじめ特定の評価項目は設定せず、重要な臨床イベント、例えば換気補助レベル(室内気吸入、低流量酸素吸入、非侵襲的陽圧換気法(NIPPV)、侵襲的換気法、ECMOなど)の変化、退院、有害事象、死亡などについて検討した。重症度は6段階のスケールで評価し、1は入院していない、2は入院したが酸素療法は必要ない、3は酸素補充が必要な入院患者、4はネーザル・ハイフローや非侵襲的換気が必要な入院患者、5は侵襲的機械換気やECMOが必要な患者、6は患者死亡とした。

この記事を読んでいる人におすすめ