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JAMA誌から
重篤なCOVID-19患者に回復期血漿輸血が有望
中国の予備的研究で5人の重症患者が臨床的に改善し3人は退院

 中国深せん市第三人民医院のChenguang Shen氏らは、ARDSを発症した重篤なCOVID-19患者に、回復期血漿が利益をもたらすかどうかを検討するために5人の患者に投与し、全員に臨床的な改善が認められたと報告した。結果はJAMA誌電子版に2020年3月27日に掲載された。

 COVID-19には特異的な治療法がなく、死亡率は高い。重篤な患者に対する治療法の候補の1つが、COVID-19が治癒した患者から提供された血漿(回復期血漿)を患者に注入するアプローチだ。回復期血漿は、SARS-CoV-1、H5N1鳥インフルエンザ、H1N1インフルエンザに対して有効であることが示唆されており、2014年にエボラウイルス病、2015年にはMERSの治療に用いることが推奨されている。

 著者らは、重篤なCOVID-19患者5人を対象に、ケースシリーズ研究を行った。対象としたのは、重症肺炎で、進行が速く、ARDSを発症しており、抗ウイルス薬を投与しているがウイルス量が多い状態が持続している患者で、Pao2/Fio2が300未満であり、機械的換気を受けている人とした。

 2020年1月20日から3月25日までの期間に、深せん市第三人民医院の感染症部門で、条件を満たした5人(年齢は36~73歳で、2人が女性)に回復期血漿を注入した。追跡は3月25日まで行い、血漿投与前と投与後の臨床転帰を比較した。

 回復期血漿は、個々の患者とそれぞれABO式血液型が同じだった、COVID-19から回復した5人(18歳から60歳まで)から提供された。ドナーは、10日以上にわたって無症状で、SARS-CoV-2陰性であり、他の呼吸器疾患ウイルス、HBV、HCV、HIV、梅毒も陰性であることを確認して採血した。患者に注入したのは、SARS-CoV-2特異的なIgG抗体を含んでおり、結合力価は1:1000超で、中和力価が40倍超の血漿だ。ドナーから血漿が得られたその日のうちに、2回に分けて計400mLを患者に輸血した。5人の患者への注入のタイミングは、入院から10日目から22日目となった。

 主要評価項目は、体温、SOFA(Sequential Organ Failure Assessment Score)スコア(スコア幅は0~24で、高スコアほど重症)、Pao2/Fio2、ウイルス量、血清抗体力価、血液生化学検査、ARDS、機械的換気、ECMOなどに設定し、血漿投与前と投与後の状態を比較した。

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シリーズ◎新興感染症
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