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NEJM誌から
米国の長期介護施設のクラスター報告
167人のCOVID-19患者が発生し、周囲の施設にも飛び火した

 長期介護施設では、入所者の年齢が高く、慢性疾患の保有率も高いため、COVID-19患者が発生すると深刻な結果になりうると予想されていた。米国Public Health-Seattle and King CountyのTemet M. McMichael氏らは、ワシントン州キング郡内の長期介護施設で発生したCOVID-19クラスターの特徴をNEJM誌電子版に2020年3月27日に報告した。

 キング郡では、2020年2月28日に、長期介護施設入所者のCOVID-19発症が初めて報告された。長期介護施設における最初のCOVID-19患者が入所していたのは、高度看護施設Aだった。この施設の入所者は130人で、スタッフは170人だった。これを受けてPublic Health-Seattle and King County(PHSKC)はCDCに支援を要請し、症例調査、接触者追跡、検疫、隔離と、施設内での感染予防およびコントロールを開始した。

 この施設での最初の患者は73歳の女性で、2月19日に発症、徐々に呼吸器の機能が悪化したために酸素療法を受けていたが、24日に地域の病院に搬送された。入院時の体温が39.6℃で、頻脈、頻呼吸を呈し、室内気での酸素飽和度が83%だった。低酸素状態はさらに進行し呼吸不全となったため、25日に気管挿管が行われた。CT検査では両側の肺にびまん性の浸潤が認められた。

 この患者は2型糖尿病、肥満、慢性腎臓病、高血圧、冠動脈疾患、うっ血性心不全などの病歴を有していた。旅行歴はなく、COVID-19患者との接触歴もなかった。改められたCDCのPCR検査の適用基準を満たしたため、鼻咽頭スワブ、口咽頭スワブ、痰を対象にRT-PCR検査が行われ、発症から9日後、入院からは4日後となる28日に陽性が確定した。3月2日に患者は死亡した。

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シリーズ◎新興感染症
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