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BMJ誌から
英国のCOVID-19遠隔診療ガイド
プライマリーケア医が遠隔診療を行うためのポイント

 英国では、COVID-19患者のほとんどは、電話で状態を確認し、症状を管理する方法と自己隔離に関するアドバイスを与えることによって、遠隔管理が可能だと考えられるようになった。Oxford大学のTrisha Greenhalgh氏らは、COVID-19遠隔診療のための幅広いオリエンテーションとなることを意図して、プライマリーケアを担当するGP向けのガイドを作成し、BMJ誌電子版に2020年3月25日に報告した。

 COVID-19に関する一般的な情報を求める患者は、まず「NHS 111 Online」を紹介し、症状チェックを行ったり、その他のオンラインリソースを利用してもらう。軽症で合併症のない患者は一般に電話で管理が可能だ。が、ビデオ通話なら、追加の情報が得られて、診断の手がかりもつかめるため、より重症の患者、併存疾患を有する患者、不安が強い患者などにはビデオ通話が適している。耳の不自由な患者にもビデオ通話が好ましいだろう。

事前の準備
 接続前の準備として患者の診療記録を開く。これはビデオ通話用の画面とは別のモニターを使うことが望ましい。前もってCOVID-19による予後不良の危険因子をチェックしておく。例えば、免疫低下状態に関わるフレイル、糖尿病、慢性腎臓病、慢性肝疾患、妊娠、化学療法中、ステロイド使用、その他の免疫抑制薬の使用などや、喫煙、心血管疾患、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの有無をチェックしておく。

 ビデオ通話の質がよければ、対面して行う診療の場合とほぼ同様に、医師と患者がコミュニケーションできる。そのためには、通話開始時点で、医師と患者がそれぞれ、画像と音声が正しく動作していることを確認する必要がある。問題があれば、医師から患者に直接電話して解決を促せるよう、患者の電話番号を確認しておく必要がある。

ビデオ通話での診療を始める
 まず氏名と誕生日を聞くなどして本人確認を行う。診察の相手は、家族や介護者ではなく、できるだけ患者本人とする。今、どこにいるのかを尋ねる。大半は自宅のはずだが、そうでない場合もあり得る。続いて、大まかな質問をする。具合が非常に悪いのか、それほどでもないのか、現在はベッドに寝ているのか、起きて動き回っているのか、などを問う。

 モニターを通じて、苦しそうな様子か、発語の際に息苦しそうかを察する。患者の状態が悪そうなら、そのまま臨床的に重要な質問を行うことが好ましい。患者の状態が悪そうでなければ、なぜ患者がこの時点で遠隔診察を希望したのかを確認したほうがよい。例えば、本人や家族の不安が非常に強かったり、併存疾患があることが心配だったり、といった理由が考えられる。さらに、患者が望んでいるのが何かを明らかにする必要がある。臨床評価なのか、診断書なのか、紹介なのか、自己隔離に関するアドバイスなのか、あるいは安心できる言葉の場合もある。

連載の紹介

シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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