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緊急寄稿◎新型コロナウイルス感染症・オーストラリアの状況
豪ではGPがCOVID-19対策の最前線に
4月から新規患者数が減少、感染爆発の抑制に成功か

2020/04/09
小林孝子(豪ビーンリー・ロード・メディカルセンター)

こばやし・たかこ●1986年愛知医科大学卒業。95年にオーストラリアへ移住。2004年にオーストラリア医師免許審査試験に合格し、GPの専門研修を経てGP専門医資格を取得。現在はRACGP認定専門医(FRACGP)としてブリスベンで地域医療に携わりながら、豪クイーンズランド大学臨床医学部プライマリ・ケア・ユニットの上級講師としてGPレジストラー(専攻医)や医学生の教育、専門医試験の試験官などを行っている。

 今、オーストラリアは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染の広がりによって、歴史上初めて社会の仕組みが大きく変わってきています。オーストラリアでは3月22日ごろから急激に感染者が増加しました。

 まず、オーストラリアの人は海外に行けなくなりました。

 海外にいるオーストラリアの人は入国できますが、用意された隔離施設(計5000人分)にそのまま強制的に送られます。14日間隔離されます。違反したら実刑または罰金です。

 海外からの渡航者は入国禁止です。

 2020年4月6日現在、オーストラリアにおけるSARS-CoV-2感染者は5795人。死亡者は39人、入院者は448人(うちICU入院は96人)という状況です。感染者の年齢の中央値は47歳、死亡者では80歳です。SARS-CoV-2のPCR検査実施数は30万2663件です。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の66.2%は、国外からの感染(import transmission)です。感染経路が不明な感染(community transmission)を防ぎ、感染者数の増加をこれからプラトーにし、感染拡大に対する準備を進める、というのがオーストラリアにおける今後の防疫指針となります。

 そのためスコット・モリソン首相は3月25日、今後6カ月間、国の活動をhibernation(冬眠)させ、最小限の社会機能を保ちつつ、国民の雇用と経済を継続するという方針を打ち出しました。

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