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シリーズ◎新興感染症
東京都医師会が緊急事態宣言後の対応を説明
7日にも軽症者を宿泊施設に移し、遠隔モニタリング

「今後、中等症以上の患者が増えてくるまでにもう一度、迎え撃つ体制を整えていきたい」と話す、東京都医師会副会長の猪口正孝氏。

 東京都医師会は4月6日に記者会見し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって都内で医療崩壊の危険性が高まっていることを受け、医療的緊急事態宣言を発出した。感染者の増加を防ぐため、都民に対して改めて外出の自粛などを求めた上で、逼迫している入院医療の今後の見通しについて説明した。

 東京都では現在、COVID-19患者のための病床を約1000床確保しているが、4月5日にCOVID-19新規感染者が143人となり、4月6日時点で感染者が1033人。そのうち951人が入院している。「週末に続けて3桁の新規患者が発生したことで、このままのペースで感染者が増えると医療提供体制が維持できなくなる危機感を覚えた」と東京都医師会会長の尾﨑治夫氏。これまでより踏み込んだ対策が早急に必要だとしている。

 入院医療については4月7日から順次、軽症者をホテルなどの宿泊施設に移す考えだ。「入院患者951人のうち8割近くは軽症患者で、現在はこうした人も検査で陰性が確認されないと退院できない。長期間入院させられていることに対する拘禁反応でストレスがたまっている患者も多く、対応する医療従事者のメンタルにも負荷がかかっている」と東京都医師会副会長の猪口正孝氏は話す。7日は早速、100人弱が移動する予定だ。

 「国の緊急事態宣言が出れば、宿泊施設などの建物を知事が接収することができるようになる。ホテルが多くある東京都では、家族内感染のリスクや独居などで見守る人がいない可能性がある自宅療養よりも、こうした場所を有効活用する方がよいと考えている」(猪口氏)。宿泊施設では、患者本人に体温やSpO2の測定をさせ、テレビ電話システムを用いて健康管理を行う。まずは医師1人、看護師1人、事務職員1人が保健所から遠隔でこの健康管理業務に当たる予定で、「200~300人ぐらいまではこの体制で管理できるだろう」(猪口氏)とする。追加の医療従事者も東京都医師会が主導して確保する。患者への食事の提供や掃除・消毒などは感染対策を講じた上で保健所が行う。

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