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JAMA Cardiology誌から
COVID-19患者のTnT高値は転帰不良を示唆
心血管系の基礎疾患よりも入院中の検査値がアウトカムを反映

 中国武漢大学のTao Guo氏らは、心血管系の基礎疾患を有することと、COVID-19死亡の関係を検討するために、武漢市第七病院に入院した患者を対象とする後ろ向きケースシリーズ研究を行った。その結果、入院中のトロポニンT(TnT)上昇が示す心筋損傷がある患者は死亡リスクが高かったと報告した。内容はJAMA Cardiology誌電子版に2020年3月27日に掲載された。

 基礎疾患のある患者がCOVID19を発症すると、重症化しやすいことが報告されている。武漢市で行われた研究では、COVID-19で入院した138人の患者のうち、16.7%に不整脈があり、7.2%に急性心筋損傷があったと報告されていた。しかし、心血管系の基礎疾患があると、COVID-19で入院中にアウトカムを不良にするリスクが高いのかどうかは明らかではなかった。

 そこで著者らは、武漢市第七病院に2020年1月23日から2月23日までに入院したCOVID-19確定例を対象として、心血管系疾患(CVD)の有無や入院時の心筋損傷の有無と、COVID-19による死亡の関係を検討することにした。

 入院患者の人口統計学的特性、病歴、検査結果、併存疾患、合併症、適用された治療(抗ウイルス薬、抗菌薬、ステロイド、免疫グロブリン、換気補助)と、アウトカムに関する情報を収集した。TnT値が正常者の99パーセンタイルの上限を超えていた患者を急性心筋損傷ありと判定した。

 主要評価項目は、COVID-19関連死亡とした。対象期間中に、治療に成功して退院した患者が211人、死亡した患者が45人いた。このうち必要なデータがそろっていた187人を分析の対象とした。187人の平均年齢は58.50歳、144人(77%)が退院し、43人(23%)が死亡していた。全体では66人(35.3%)が、基礎疾患に高血圧、冠疾患、心筋症を持っていた。また、52人(27.8%)にTnT検査による心筋損傷が見られた。心筋損傷患者の死亡率は59.6%で、TnTが正常域にあった患者の8.9%に比べ、有意に高かった。

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