新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患者が増える中、開業医が知らない間に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に曝露する危険性が増している。実際に今年3月、後にCOVID-19の感染が明らかになった患者が診療所を受診したことから3日間の診療縮小をした開業医A氏に話を聞いた。
――先生の診療所を受診した患者がCOVID-19に罹患していることが後になって分かったそうですが、その経緯を教えてください。
開業医A テレビ報道だ。日曜日の朝、テレビを観ていると、当診療所の近くで患者が見つかったことが報道されていた。県を超えて通勤していることなど、心当たりのある患者がいたため、自分で保健所に連絡した。保健所の担当者と話していて、前の週と前々日の金曜日に当診療所を受診した患者だと分かった。カルテを見直すと、微熱と咳があった患者だったが、熱がそれほど高くなかったため、インフルエンザではないだろう、と思いながら、一応インフルエンザの検査は行っていた。
COVID-19が問題になってから、診察時にはマスクをし、1人診るごとに手指消毒もして、とインフルエンザの感染を防ぐのと同じ意識で診療を行っていた。だが今回、結果的にCOVID-19だった患者を診たことを契機に、改めて日本環境感染学会のガイドラインを読むと、インフルエンザの検査のときにガウンやフェースシールドをしていないと「曝露した」という扱いになってしまうことに気付いた。
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連載の紹介
シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。
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