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Lancet誌から
重症COVID-19患者に免疫抑制療法を検討する
サイトカインストームを起こしたサブグループを同定する提案

 英国University College LondonのPuja Mehta氏らは、重症COVID-19患者のうち、過剰な炎症反応が認められる人々には、ステロイドやIL-6など、免疫を抑制する治療が有効ではないかとするCORRESPONDENCEを、Lancet誌に2020年3月16日に提示した。

 3月12日時点でのWHOリポートによると、COVID-19の致死率は約3.7%と推定されており、1%未満のインフルエンザより高く、早急に有効な治療法が必要と考えられている。現在開発の焦点は、抗ウイルス薬やワクチンなどにおかれている。

 現時点では、COVID-19患者は支持療法により管理されており、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)による呼吸不全が主な死因になっている。一方で、重症患者の一部がサイトカイン放出症候群(CSS)を発症していることを示唆するエビデンスが蓄積されつつある。著者らは、致死率を低下させるためには、CSSを同定し、安全性が確認されている承認済みの治療薬を適用して、過剰な炎症反応を抑制する戦略が有効ではないかと考えた。

 二次性血球貪食症候群(sHLH)はあまり知られていないが、過剰な炎症反応によって顕著な高サイトカイン血症と多臓器不全を起こし、致死的になり得る。成人では、sHLHの誘因として最も頻度が高いのがウイルス感染症で、敗血症患者の3.7~4.3%がsHLHを発症する。sHLHの基本的な特徴は、持続する発熱、血球減少、高フェリチン血症で、約半数の患者にARDSを含む肺症状が現れる。

 COVID-19患者では、sHLHの場合に似たサイトカインレベルの変化が、重症度と関係していることが示唆されている。具体的には、重症患者には、IL-2、IL-7、顆粒球コロニー刺激因子、ケモカインIP-10(CXCL10)、単球走化性蛋白質1、マクロファージ炎症蛋白質1-α、TNF-αなどの上昇が認められている。

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シリーズ◎新興感染症
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する話題を中心にお届けしています。

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