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NEJM誌から
物に付着したSARS-CoV-2の感染力持続時間
プラスチックの表面では72時間後まで感染力を維持

 米国立アレルギー感染症研究所のNeeltje van Doremalen氏らは、SARS-CoV-2のエアロゾル状態と液滴に含まれた状態で物質の表面に付着した場合の安定性を評価する実験を行い、エアロゾル中では3時間以上、厚紙の表面では24時間後まで、ステンレススチール表面では48時間後まで、そしてプラスチックの表面では72時間後まで感染力を維持していたと報告した。結果は2020年3月17日にNEJM誌電子版に掲載された。

 著者らはSARS-CoV-2 nCoV-WA1-2020(MN985325.1)と、2002-03年に世界的に流行したSARSを引き起こしたSARS-CoV-1 Tor2(AY274119.3)を使って実験を行った。

 粒子径5μm未満のエアロゾル中のウイルスの感染力の持続について検討する実験は、以下のような人工的な環境下で行われた。気温は21~23度、相対湿度は65%に設定した。ネブライザーを使ってGoldbergドラムの中で、ウイルスを含むエアロゾルを発生させた。エアロゾル中のウイルス量は、SARS-CoV-2が10の5.25乗TCID50/mL(1mL当たり50%の組織培養細胞を死滅させうるウイルス量)、SARS-CoV-1は10の6.75-7.00乗TCID50/mLに調整した。ドラムは3時間回転させ続け、エアロゾルが空中に漂っている状態を維持した。開始時点と30分後、1時間後、2時間後、3時間後に、ドラム内の空気中のウイルスをゼラチンフィルターを用いて回収し、培養液に移して培養細胞(Vero E6細胞;コロナウイルスに感染すると形態が変化するため、感染価の評価に用いられる)に感染させた。

 物質の表面でウイルスが感染力を維持している時間を調べる実験は、それぞれの素材の板を、気温21~23度相対湿度40%の環境下に置き、ウイルスを含む培養液50μLを滴下して、その状態を維持した。滴下直後と1時間後、4時間後、8時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後に、滴下場所の表面に培養液1mLを垂らしてウイルスを回収した。厚紙の場合にはスワブを使って回収し、培養液にウイルスを移行させた。得られたウイルスをVero E6細胞に感染させて、細胞の変性の度合いを観察した。

 エアロゾルおよび各種表面の実験は、それぞれ3回ずつ行った。

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