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Ann Intern Med誌から
医療従事者の感染防御が成功したシンガポールの事例
サージカルマスクで、入院治療後にSARS-CoV-2感染が判明した患者からスタッフの感染なし

 COVID-19患者の治療を担当する医療従事者における、個人防護具(PPE)の有効性については、十分な情報が得られていない。シンガポールChangi General HospitalのKangqi Ng氏らは、当初はCOVID-19患者であることが分からなかった肺炎患者の治療に当たった医療従事者のうち、エアロゾルが発生する手技の際にSARS-CoV-2に曝露した可能性があった41人が使用していたマスクの種類と、その後の感染の有無の関係を検討した。それらのうちの85%がサージカルマスクを着用していたが、感染者は1人も出なかった。短報は、Ann Intern Med誌電子版に2020年3月16日に公開された。

 患者は糖尿病と脂質異常症がある中年男性で、2020年2月に市中肺炎で入院した。中国への最近の渡航歴はなく、COVID-19患者との接触歴もなかった。入院時点で酸素療法を開始。翌日には呼吸窮迫となり、ICUでの気管挿管と機械的換気が必要になった。挿管困難だったためビデオ喉頭鏡とブジーを使用した。機械的換気開始から3日後に臨床症状は改善し、抜管して非侵襲的換気に切り替えた。

 抜管した日に鼻咽頭スワブを採取し、PCR検査を行ったところ、SARS-CoV-2陽性であることが判明した。翌日と翌々日にも標本を採取し検査したが、いずれも陽性だった。

 接触者追跡調査を行ったところ、医療従事者41人が患者から2メートル以内の距離で、エアロゾルが発生する手技に10分以上立ち会っていた。具体的には、気管挿管に立ち会った医療従事者が10人おり、うち4人がサージカルマスク、6人がN95マスクを使用していた。残りの31人は、抜管にかかわった2人と、非侵襲的換気時にエアロゾル曝露があったと見なされた25人、他の手技(開放式吸引など)に立ち会った4人は、全員がサージカルマスクを着用していた。

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