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Radiology誌から
COVID-19患者と無症候性感染者のCT所見比較
ダイヤモンドプリンセス号から下船した乗客112人の胸部CT所見

 クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号から下船した乗客のうち、無症状の患者、軽症患者、家族内に感染者がいる人は、自衛隊中央病院に搬送された。同病院放射線科の戌亥章平氏らは、症状が現れたCOVID-19患者のCT画像と、RT-PCRで陽性を示したが無症候性の感染者のCT画像を比較して、Radiology誌電子版に2020年3月17日に報告した。

 厚生労働省の2月17日の発表によると、それまでにRT-PCR検査を受けた乗客1723人のうち454人が陽性だったが、うち189人が無症状だった。COVID-19患者の臨床経過と胸部CT所見に関する報告は蓄積されつつあるが、それらの多くが中国で発生した症候性の患者を対象としていた。そこで著者らは、ダイヤモンドプリンセス号の乗員乗客の中の、PCR陽性患者のCT画像を後ろ向きに検討し、無症候性感染者と症状がある患者の特徴を比較することにした。

 対象は、自衛隊中央病院に搬送されたSARS-CoV-2感染陽性者で、入院時にCT検査を受けた人。個々の患者の医療記録から、人口統計学的データ、病歴、基礎疾患の有無、症状、徴候などの情報を得た。入院時に肺炎の症状(体温>37.5度、咳、呼吸困難、疲労感)があった患者と、無症状の患者に分類した。

 CT画像は、臨床データを知らされていない胸部放射線科医師3人がそれぞれ別個に読影を行い、その後共同で診断を確定した。CT所見は、Fleischner Society の Glossary of Termsを用いて記録した。評価した所見は、すりガラス様陰影(GGO)、コンソリデーション、小葉内の細気管支の壁肥厚または小葉間隔壁の肥厚、線状影(胸膜下曲線陰影を含む)、リング状陰影などだ。胸膜滲出液、リンパ節腫脹(短軸系が10mm以下)、気道に異常あり(気道壁肥厚、気管支拡張症、気道分泌物など)、肺のあらゆる基礎疾患(肺気腫、肺線維症など)の有無も記録した。

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