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NEWS◎新型コロナウイルス感染症で今春の学術集会はどうなる
血管内治療学会JET、ウエブ配信で4月実施へ
インターネットでの配信を行う学会が増加中

 新型コロナウイルス感染症の流行により今春に予定されていた学術集会のほとんどが延期または中止される中、インターネットによる動画配信を行う学術集会が増えている。2月21日から大阪で開催予定だったJET(Japan Endovascular Treatment Conference)の学術集会(JET2020)は直前に延期となったが、4月18~19日、25~26日の2回の週末に分け、「JETTALKS ON AIR」としてウエブ配信で実施することが発表された。

 同学会代表理事の中村正人氏(東邦大学医療センター大橋病院循環器内科教授)は、「発表が予定されていた臨床研究の結果公表を遅らせることは、医学研究だけでなく実臨床にも思わぬ悪影響を及ぼしかねない。早期に公開して情報を共有し、必要な議論は行うべきだと判断した」と語る。秋の開催も考慮したが、流行の終息を確実に予測することは困難であり、早期の情報共有を優先すべきとの結論に至ったという。

 各日程でのセッションは正午から午後5時まで、末梢動脈疾患、静脈疾患、大動脈疾患、シャント、パクリタキセル溶出デバイスの安全性などについて、それぞれシンポジウム形式で各演者の講演がストリーミング配信される。会場での参加はできず、視聴者からの質問はチャットで受け付ける予定。JET2020の事前参加登録に伴う参加費は既に返金しているため、「JETTALKS ON AIR」の視聴は有料とし、4日間で医師・企業が3000円、コメディカル1000円とした。登録方法などは4月上旬にJETのウエブサイトで告知するとのこと(こちら)。

 このほか、第6回日本医療安全学会学術総会(3月27~31日)、第117回日本内科学会総会・講演会(4月10~12日)、第94回日本感染症学会総会・学術講演会(4月16~18日)、第72回日本産科婦人科学会学術講演会(4月23~26日)、第106回日本消化器病学会総会(4月23~25日→8月11~13日に延期)などで、ネット会議での実施や一部セッションでウエブでのライブ配信、学術集会後のオンデマンド配信がアナウンスされている。

 このような学術集会のウエブでの提供は欧米の学会が先行しているが、リアルの学術集会への参加者が減り学会としては収入減となることが問題になっているという。一方で参加者にとっては利便性が高く、参加できなかったセッションを後から聞いたり、現状のような突発的事態が起こっても最新の情報を得ることができる上、演者にとっても発表の機会を失わずに済む。JETでも今回の反応を踏まえ、来年以降の対応を検討するという。我が国においても、今後の学術集会の開催方法を考える機会になりそうだ。

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