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NEJM誌から
武漢からシンガポールに避難した人の経過報告
97人中1人は症状なしに2週間以上PCR陽性だった

 シンガポール国立感染症センターのOon-Tek Ng氏らは、2020年1月30日に、武漢からシンガポールに空路避難してきた94人を追跡した。シンガポール到着時点で発症してSARS-CoV-2感染が確認された患者は2人で、無症状のままPCRで陽性になった患者が1人いた。94人の経過は、NEJM誌電子版に2020年3月12日に報告された。

 軽症患者は病院でのサーベイランスでは必ずしも把握できないため、中国が公式に報告している武漢市のCOVID-19患者の数は、実際のSARS-CoV-2感染者の数に比べかなり少ないと推定されている。一方武漢から自国に戻ってきた旅行者のデータは、SARS-CoV-2感染者の発生率をより正確に推測するために役立つ可能性がある。

 1月30日に武漢の空港に集まった、シンガポールへの帰国希望者は97人いたが、チェックイン時と搭乗前に検温したところ、3人に発熱が見られたため、飛行機に搭乗しなかった。この3人に関する情報は、それ以降得られていない。94人の乗客には搭乗時にサージカルマスクを配布した。

 シンガポール到着時に再び体温を確認したところ、2人に38度以上の発熱が見られた。患者1は48歳女性で、発熱の他に咳が認められた。患者2は47歳女性で、発熱と咽頭痛を訴えた。これらの患者は1月30日のうちに病院に搬送され、その後行われたPCR検査によりSARS-CoV-2陽性であることが明らかになった。

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シリーズ◎新興感染症
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