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NEWS◎新型コロナウイルスで今春の学術集会はどうなる
循環器学会は現状で開催予定、延期の学会も
[2/21追記]循環器学会が学術集会の延期を発表

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の広がりにより、今春に開催が予定されている医学系学会の学術集会にも影響が出てきた。

 2月19日に学術集会に関する定例の記者会見を行った日本循環器学会は、3月13~15日に京都で開催予定の第84回学術集会について、「現状では開催の方向で準備しているが、日々状況が変わっており、2月末に最終決定を行う方針」(今期学術集会長を務める、京都大学大学院医学研究科循環器内科学教授の木村剛氏)であることを明らかにした。学術集会では例年、海外から多くの招待演者を招聘しているが、木村氏によれば、COVID-19を理由に参加を断ってきた欧米の招待演者はまだいないという。

 今期学術集会はアジア太平洋循環器学会の定期学術集会(APSC2020)と同時開催となる。APSC2020の会長を務める和歌山県立医科大学循環器内科学教授の赤阪隆史氏によれば、国の方針として医師の出国が禁止された中国の参加者はキャンセルとなったが、韓国やシンガポールなどからは現状では参加の予定という。ただ、帰国後は一定期間自宅滞在を求める国もあり、そうした国の参加者からは出席しづらいという声が届いているとのこと。そこで、遠隔会議システムによる参加や音声付きプレゼンテーションソフトによる発言も検討している。

 「この1年、学術集会に向け多くの人たちの協力を得て企画を進めてきたので、できるだけ開催したい。だが我が国で流行が発生といった事態になれば診療に全力を注がねばならず、今後の動向に注視している」と木村氏は話す。

 一方、2月21日から大阪で開催を予定していた、末梢血管のインターベンション治療に関するライブを中心としたJET(Japan Endovascular Treatment Conference)の学術集会(JET2020)は延期された。JET理事長を務める東邦大学医療センター大橋病院循環器内科教授の中村正人氏は、ウエブサイトに掲出された告知文の中で「参加を予定している2500人あまりの来場者の感染リスクを完全には排除できず、参会者の健康や安全面を最優先して延期することとした」と苦渋の選択だったことを語っている。参加した医師が自施設に戻り診療を始めた後に感染が判明した場合、一定期間は病院の業務全体がストップしかねない。こうしたリスクは低いとはいえ発生した場合のダメージが大きいことが、延期の決断の背景にあったようだ。


[2020/2/21追記]本日、日本循環器学会は第84回学術集会の延期を発表した。新たな開催日程は可及的速やかに公表するとしている。同時開催されるアジア太平洋循環器学会の学術集会(APSC2020)も同様に延期された。

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