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New England Journal of Medicine誌から
tPAは脳梗塞の血栓回収療法に必須ではない
中国で行われたDIRECT-MT試験の結果

2020/06/05
佐古 絵理=メディカルライター

 前方循環の脳主幹動脈閉塞に対する血栓回収療法の際、あらかじめ組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)を投与しなくても、3カ月後の機能予後はtPAを投与してから同治療を行った群と同等(非劣性)だった。論文は5月6日にNew England Journal of Medicine誌ウェブサイトで公開され、5月13日に欧州脳卒中機構(ESO)と世界脳卒中機構(WSO)の合同ウェブセッションで発表された。

 血栓回収療法に先立つtPAの投与により、虚血領域の早期再灌流の増加や、術後に残存している遠位血栓の溶解が期待できる。しかし、tPAを投与しても近位にある大血栓の溶解は限定的であり、標的血栓から断片が生じて遠位に移動するおそれもある。そこで中国の研究グループは、tPAを投与しない血栓回収療法と現在の標準治療となっているtPA投与後の血栓回収療法を比較するDIRECT-MT試験を行った。

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