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1分解説◎アンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬(ARNI)とは?
新規心不全治療薬「ARNI」のエンレストが発売

 2020年8月26日、新規心不全治療薬であるアンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬(ARNI)のサクビトリルバルサルタンナトリウム水和物(商品名エンレスト)が発売された。標準的な治療を受けている慢性心不全患者を適応としている。同薬は既に100カ国以上で承認されており、欧米のガイドラインでは左室駆出率(LVEF)が低下した慢性心不全(HFrEF)患者に対する標準的な治療薬の1つとして推奨されている。日本では2019年7月に承認申請が出され(関連記事:話題の新規心不全治療薬ARNI、日本上陸へ)、2020年6月に承認されていた。

 ARNIとは、ネプリライシン阻害薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の合剤。実用化されている唯一のARNIはノバルティスが開発したエンレストで、開発コード「LCZ696」で治験が行われていた。同薬は、ネプリライシン阻害薬のプロドラッグであるサクビトリルとARBのバルサルタンを1分子中に1対1のモル比で結合させた単一の結晶複合体で、経口投与後は速やかにサクビトリルとバルサルタンに解離する。サクビトリルは吸収後に活性体(sacubitrilat[LBQ657])に変換され、ネプリライシンを阻害する(図1)。

図1 ARNIの作用機序(取材を基に編集部で作成)

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