長崎市の中心部に位置する長崎腎病院――。九州で最も多くの透析患者を抱える透析専門の病院の壁に、1枚の張り紙が掲出された。それは公立福生病院(東京都福生市)の透析中止事案が新聞に報道されて間もない、3月11日のこと(写真1)。そこには理事長名で、「極度の状況でない限り、透析の中止を提案することはない」「今後とも安心して透析を続けられる」ことが明記されていた。

 「この張り紙を見て、涙ぐむ家族もいた。多くの患者さんが安心したと言ってくれた」と振り返るのは、同院で医療相談員として勤務する社会福祉士/介護福祉士の藤原久子氏だ。

 貼り紙を掲出した理由について、同院を運営する医療法人衆和会理事長の舩越哲氏は、今般の公立福生病院をめぐる報道に多くの患者たちが動揺したためだと明かす。「何人もの患者さんから、『シャントが使えなくなったら透析してもらえないのか』と尋ねられた。透析医療は、患者さんたちの理解があって初めて成り立つ医療。動揺を早く鎮めてあげたいと考えた」(舩越氏)。

透析開始直後に事前指示書に署名してもらうコツの画像

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