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特集◎福生病院の「透析拒否で死亡」報道が投げかけたもの《2》
病院側が語った「透析中止」の真相
医師は治療継続の必要性を説明、患者は治療を拒む

公立福生病院(東京都福生市)。福生病院組合が2001年に開設した一般病院(316床)。内科、精神科、循環器内科、腎臓内科など19診療科からなる。

 公立福生病院(東京都福生市)で、腎臓病患者が人工透析治療を中止する選択をし、その後、死亡に至ったとする報道を機に非難や責任を追及する声が広がった。矢面に立たされた病院側は会見を開き、医師が、長期留置型カテーテルによる透析の必要性を説明したにもかかわらず、女性患者(当時44歳)が透析を拒否していたことを明かした。

 病院が会見で説明した臨床経過は、こうだ。

 亡くなった女性患者が初めて福生病院腎臓センターを受診したのは3年半ほど前。女性患者が透析のために通院していたAクリニックが、透析用バスキュラーアクセス(以下、アクセス)の機能が落ちているとし、その管理のために福生病院を紹介したという。

 初診時の状況について病院側は、「アクセスの状態は悪く、カテーテルを入れる入り口となるシースを留置することはできず、医学的メンテナンスが困難な状況だった。対側の方は、橈骨動脈も尺骨動脈も狭小で、(新たな)アクセスの造設は厳しい状態だった」などと説明している。

 また、病院側はこのとき、患者が40歳代と若かったことから腎移植に言及。これに対し、患者からは「移植に関して初めて聞いた。いったん、家に帰って相談したい」との希望が示され、当日は帰宅した。

 その後、福生病院の外来を受診した際に、「移植をやることに決めた」と、本人と夫が生体移植希望の意思を示した。このため同病院は、八王子市内の大学病院の受診を指示し紹介状を発行した。ただし、「実際に移植は行われなかったようだ」(病院側の代理人)。

 初診から10カ月ほど経って、再度、Aクリニックから、アクセスのチェックをしてほしいとの依頼があり、患者が福生病院を受診。対応した医師は再度、本人に対して、アクセスの再建は難しく、既存アクセスの破綻が起こったときは長期留置型カテーテルによる透析以外の選択肢は難しいことを説明した。それ以後、半年に1度の頻度でアクセスのチェックのため同院を受診していたが、アクセスの状況は徐々に悪化したという。

 なお、腹膜透析は、腎機能が悪化していることから、導入することは難しいと判断されていた。

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