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1分解説◎細胞の低酸素応答の仕組み、貧血や虚血障害治療に応用も
ノーベル生理学医学賞受賞の「HIF」って何?

 ノーベル財団は2019年10月7日、2019年のノーベル生理学・医学賞の受賞者に、細胞が酸素レベルを感知し、応答する機構を解明した米国と英国の研究者3人を選んだと発表した。

 今年のノーベル生理学・医学賞の受賞者は、米Harvard Medical SchoolのWilliam G. Kaelin Jr氏、米Johns Hopkins UniversityのGregg L. Semenza氏、英University of OxfordのPeter J. Ratcliffe氏の3人。

 3人の研究者による研究成果は、動物における酸素濃度の変化への適応に関する研究。細胞が酸素濃度の変化を探知し、適応していく際の機序を解明した。造血ホルモンであるエリスロポエチンEPO)遺伝子の制御機構を解き明かすとともに、酸素濃度に応じて遺伝子発現制御を行うHIF(Hypoxia-inducible factor:低酸素誘導因子)を同定し、そのメカニズムの解析を進めた。

 HIFは、体内が低酸素状態に陥ったときに誘導される因子で、低酸素状態に対応するために様々な蛋白質の発現を促す作用がある。

 通常の状態では、HIFは、HIF-プロリン水酸化酵素(PHD)によって水酸化され、分解へと導かれている。このHIF-PHDを阻害する薬剤の開発が全世界で進んでいる。HIFの分解を抑制してHIFを安定化させることで、低酸素状態への対応に必要な様々な蛋白質を活性化することができるのではないかと考えられている。

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