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年末スペシャル◎あのニュース、どうなった?2018
不要なPCI減らすFFR-CT、保険収載はされたが
施設基準厳しく現状では「絵に描いたモチ」

図1 FFR-CTの解析結果の表示画面 冠動脈CTのデータを米ハートフロー社のデータセンターにインターネット経由で送ると、翌日には解析結果が返ってくる。画面にある冠動脈の3D画像は、自由に動かすことができる(提供:ハートフロー社、図はクリックで拡大)

 冠動脈CTのデータから、心筋虚血の定量的な評価が可能とうたうFFR-CT(図1)。安定冠動脈疾患の患者に対して、侵襲的なカテーテル検査を行わずとも経皮的冠動脈インターベンション治療(PCI)が必要か判断できる検査法として注目され、日経メディカルでも折に触れ取り上げてきた(関連記事123)。実臨床への早期の導入が期待されていたが、新規性の高いシステムだったこともあり保険償還額の交渉が難航。2016年11月に薬事承認されたものの、点数が決定したのは丸2年も経過した今年(2018年)11月だった。しかも施設基準が厳しく、現状で保険請求できるのは全国で150施設程度という。第一線でPCIに携わる多くの循環器医にとって、まさに「絵に描いたモチ」になってしまった。

 FFR(心筋血流予備量比)とは、冠動脈の狭窄によってどの程度の血流障害が発生しているかを評価する指標だ。狭窄がない場合を1としたFFR値が0.8以下になれば、有意な心筋虚血が存在し再灌流療法が必要と判断できる。狭窄部位ごとの精緻な評価が可能なのだが、その測定には侵襲的なカテーテル検査が必要となる。一方でFFR-CTなら、冠動脈狭窄の存在や程度を調べるための冠動脈CTのデータを流用できるので、患者は追加の検査に伴う侵襲を回避できる。

 医療側にも利益がある。従来、胸痛など安定冠動脈疾患を疑う症状があった場合、冠動脈CTや冠動脈造影で有意な狭窄があればPCIが行われていた。本来は心筋虚血の評価が必要なのだが、負荷心筋シンチグラフィーを含め簡単かつ確実な検査法がなかったこともあり、実施率は低かった。そのため、実際には有意な虚血を認めない症例にもPCIが行われているという、PCIの過剰適応が指摘されてきた。我が国で普及している冠動脈CTのデータから侵襲的なFFRと同等な心筋虚血の評価が可能になれば、こうした「不適切なPCI」も減らすことが可能だ。

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