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シリーズ◎2020診療報酬改定
中医協・入院医療分科会が報告書案を提示
看護必要度のC項目の対象手術追加も検討

 厚生労働省は10月16日に中央社会保険医療協議会中医協)の診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」を開き、2020年度診療報酬改定に向けたこれまでの検討結果の報告書案を提示した。報告案では、重症度、医療・看護必要度看護必要度)の評価項目、地域包括ケア病棟入院料の実績要件、DPC/PDPS診断群分類別包括評価支払い制度)の機能評価係数などの現状や課題を整理した。10月30日開催の次回分科会で取りまとめる予定だ。

 急性期入院医療の項目では、2018年度診療報酬改定前に7対1を届け出ていた一般病棟のうち、2019年6月1日時点で93.5%の病棟が急性期一般入院料1を届け出ており、その理由として「改定前の7対1相当の看護職員配置が必要な入院患者が多い(医療需要がある)ため」や「施設基準を満たしており、特に転換する必要性を認めないため」が多かったこと。そして今後の届け出の意向を尋ねた結果では「他の病棟・病室へ転換」するのは約1~2割にとどまることが報告された。

 看護必要度については、2018年度診療報酬改定で新設された診療実績データを用いて該当患者割合を評価する方法(看護必要度II)の届け出状況が2018年度調査では急性期一般入院料1の19.3%、特定機能病院(一般病棟7対1)の26.5%だったが、2019年度調査では各29.8%、46.2%に増加したことを報告。従来からの手法である看護必要度Iを届け出ている理由では、「IIの届け出に必要な診療実績情報データによる評価体制が整っていないため」が多く、「IIの届け出が進むような取り組みを検討すべき」とする意見が寄せられていたことを整理した。

 また、急性期一般入院料1では、許可病床100床未満を除き、病床規模が小さいほど患者の年齢が高く、要支援・要介護の患者の割合が高い上、自立の患者の割合が低い傾向にあった。そして、病床規模が小さいほど2018年度診療報酬改定で導入された「B14またはB15に該当し、A項目1点以上かつB項目3点以上」の基準(以下、基準2)に該当する患者が多いことも記された。

 看護必要度IIで基準2のみに該当する患者は他の基準に比べて年齢、認知症やせん妄を有する割合、要支援・要介護の割合が高く、自立の割合が低い傾向にあり、看護師による直接の看護提供の頻度が多い傾向にあった。一方で「医学的な理由のため入院継続が必要である」割合は低く、退院に向けた目標・課題として「入所先の施設の確保」や「転院先の医療機関の確保」の割合が高かったことが示された。

 短期滞在手術等基本料については、同基本料2の算定回数が非常に少なく、「現行の点数・期間は実態に即した設定となっていないのではないか」という指摘、同基本料3は外来で多く実施されている手術や4泊5日よりも短い日数の入院で実施されている手術は「同基本料1か2の対象にすべき」とする意見があったことがまとめられた。

 地域包括ケア病棟入院料については、入院料1と3の実績に関連して自宅などからの入棟患者割合が20~30%、自宅などからの緊急入院の受け入れ件数は3カ月で5~9人が最も多いとする調査結果を報告。入院料1と3の実績要件について、「在宅患者訪問診療料の算定回数が3カ月で20回以上」「介護保険における訪問介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、介護予防訪問看護または介護予防訪問リハビリテーション等の介護サービスを同一敷地内の施設等で実施」の要件を満たす割合が高く、他の要件を満たす割合が低かったことを踏まえ「実態等を踏まえて見直すべき」とする意見が寄せられたと報告された。

 加えて、DPC/PDPSの対象病院の要件の検討内容に関しては、医療資源投入量と在院日数について平均から外れた病院を調査分析し、(1)医療資源投入量の少ない病院で、急性心筋梗塞、脳梗塞、狭心症、心不全症例のうち、「手術なし」かつ「手術・処置等1なし」の症例が占める割合が高い病院、(2)在院日数の短い病院で、自院他病棟への転棟割合が高い病院――を対象に、次回改定後に書面調査や個別のヒアリングを行い、医療実態の把握と評価分析をする考えが記載された。

 機能評価係数IIについては、地域医療係数のうち「10例以上の医師主導治験の実施、10例以上の先進医療の実施、および1例以上の患者申出療養に係る意見書の作成」を見直し、「治験実施病院」を適切に評価すること、「新型インフルエンザ等協力医療機関」を評価する必要があると記した。

 これらの報告案に対し、同分科会では表現の修正や記載の追加が求められたが、特に大きな異論は示されなかった。

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