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特集◎癌ゲノム医療がやって来る《1》
ゲノムに基づく戦略に進化した肺癌診療
遺伝子異常の発見が予後を変える

東北大の井上彰氏は「遺伝子異常とその異常に対する分子標的薬がマッチすれば劇的な効果が得られる時代になった」と語る。

 「ゲフィチニブ(商品名イレッサ)は、癌患者の遺伝子異常を調べることの重要性を示した点で、癌治療に画期的な変化をもたらした」──。肺癌治療に長く携わってきた東北大学緩和医療学分野教授の井上彰氏は、こう振り返る。

 もともと肺癌の9割近くを占める非小細胞肺癌の進行癌に対しては、どんな患者も一律に白金系抗癌剤を含む細胞障害性抗癌剤の併用療法が標準治療とされてきた。しかし、患者の生存期間は1年前後と予後改善が進まず、新しい治療薬が待ち望まれていた予後の悪い癌の代表例だった。

 そんな肺癌の治療が今、次々と治療薬の選択肢が増え、投与開始前に最適な薬剤を選ぶために幾つもの遺伝子検査を行うことが推奨される、いわば次世代の癌治療のトップランナーになっている。

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