日経メディカルのロゴ画像

厚生労働省の「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」
ママ友人脈活用、検定…「上手な受診」啓発に案続々

11月12日の懇談会の様子。

 医師の働き方改革の議論に連動する形で設置された厚生労働省の「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」が11月12日、開催された。適切な医療を選択する国内外の「チュージングワイズリー」(choosing wisely)の取り組みを参考に、医療のかかり方として国民に最低限知っておいてほしい5項目をまとめる案が出たほか、ママ友ネットワークを活用して情報拡散する案、「医療のかかり方検定」や「医療情報士」といった資格を創設する案などが示された。

 3回目となる同日の懇談会では構成員や参考人へのヒアリングを実施。参考人として呼ばれた群星沖縄臨床研修センター総合診療医の徳田安春氏は、国内外でのチュージングワイズリーに関する取り組みを紹介した。米国では、2012年に取り組みが始まり、米国救急医学会が「医師と患者が質問すべき5項目」を提示したほか、70を超える学会がこの取り組みに参加し、400を超えるリコメンデーションが示された(関連コラム)。その後、チュージングワイズリーの取り組みは日本を含め20カ国に拡大。日本でも総合診療指導医コンソーシアムが2015年に「徴候のない成人患者にPET-CTによるがんスクリーニングをやらないようにしましょう」「適応のない尿道カテーテル留置をルーチンにはやらないようにしましょう」など「5リスト」を提示したことを紹介した。

 この取り組みに対してNPO 法人マギーズ東京の共同代表理事の鈴木美穂氏は、「取り組みはとても良いが、まだ煩雑だと感じる。この取り組みを参考に、『国民が知っておくべき5つのこと』といった形でまとめて、検診のしすぎにデメリットがあること、すぐに救急車を呼ばずに#8000、かかりつけ医やかかりつけ薬局を持つことなど、大切なことを5つにまとめてはどうか。メディアも伝えやすいし、国民も分かりやすいのではないか」と提案した。座長で東京大学国際保健政策学教室教授の渋谷健司氏も「学会が一方的に出してもほぼ伝わらない恐れがある。国民目線で伝わるよう、横断的に『これが大事』というメッセージを5つくらい出せれば」と賛意を示した。

 さらにハイズ株式会社代表取締役社長の裴英洙氏は、「医療のかかり方を広めていくためには、看護師や薬剤師など、医師だけでなくこの動きを広めていかないといけない。『総力戦』でいろんな職種でこのキャンペーンを推し進めていき、ムーブメントを作らないと突破口は開けないのではないか」と強調した。

この記事を読んでいる人におすすめ