日経メディカルのロゴ画像

シリーズ◎その手術部位感染対策、合っていますか?(4)
Q.術中の酸素濃度はもっと高い方がよい?

 術中の酸素濃度や患者の体温などがSSI発生率に影響を与えることも分かってきた。一般に術中は30%の酸素を送気するが、この濃度を80%に設定するとSSI発生率が通常の酸素濃度群(30%投与)よりも2~3割ほど有意に低かったことが報告されている。例えば気管内挿管全身麻酔症例を対象にした試験では、高濃度酸素群 (FiO2 80%) のSSIリスクは標準酸素群 (30~35%)と比べ、28%減少した(オッズ比0.72、95%信頼区間: 0.55-0.94)。この機序について山形大学病院検査部・感染制御部部長の森兼啓太氏は、「スーパーオキサイド(超酸化物)が増えることで、抗菌作用を発揮するのではないかと考えられている」と説明する。森兼氏の施設では高濃度酸素の導入を検討しているところだという。

 2017年に改訂されたCDCのガイドラインでは「気管内挿管されている全身麻酔の正常肺機能の患者では、手術中および手術直後の抜管の後はFiO2 を増加させる。組織の酸素輸送を最適にするために、周術期の正常体温と十分な体液補充を維持する」がカテゴリー IA(強い勧告; 中等度のレベルのエビデンス)で推奨されている。

この記事を読んでいる人におすすめ