日経メディカルのロゴ画像

特集◎これで解決!腸の不調《4》IBSじゃなかった!症例集-2
内視鏡異常ナシなら過敏性腸症候群、は間違い!

 警告症状や徴候、リスク因子からも分かるように、IBS様症状を呈する患者で最も見逃してはならないのが、潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患(IBD)や大腸癌だ。

 こうした器質的疾患は、血液検査や大腸X線造影検査、大腸内視鏡検査を行えば比較的容易に除外できる。クローン病は、主に若年者に好発するIBDだ。小腸、大腸を中心に浮腫や潰瘍、腸管狭窄、瘻孔などを生じる。多くの場合、粘膜に多発するアフタやアフタ様潰瘍から始まり、縦走潰瘍、敷石像などの病変を有する。忍氏は、「大腸癌リスクのある年齢なら血液検査は積極的に勧める。さらに血便があれば、大腸内視鏡検査を受けることを勧める」と言う。

 ただし、患者との信頼関係を構築する前からしつこく内視鏡検査を勧めると、患者が通院を中断してしまう恐れがある。内視鏡検査を嫌がる患者に対しては、内服薬による治療を行って様子を見る。「内視鏡検査ができなければ、初診では血液検査を行ったり薬剤の内服の有無を聞いたりした上で、整腸薬を処方する程度にとどめることもある。その1~2週間後に受診した際の症状で、再度内視鏡検査を打診してもいいだろう」(忍氏)。

 とはいえ、内視鏡検査の結果にばかり気を取られるのは危険だ。忍氏は、十数年前の自身の苦い経験を挙げる。原因の分からない下痢の患者に大腸内視鏡検査を行ったところ、ポリープを発見、すぐに治療を開始した。しかしその後、実際は他の疾患による症状だったことに忍氏は気が付いた。忍氏は、「症状が改善しない場合は常に他の疾患を疑い、再度問診や検査を行うべき」と振り返る。

内視鏡検査では生検も検討

この記事を読んでいる人におすすめ