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リポート◎新製品が続々登場、「十分に便利」ではあるが…
大腸内視鏡AIの普及に必要なラストピース

 AI(人工知能)を活用した医療機器の中で、最も実用化が進んでいるといえるのが大腸内視鏡だ。2019年3月には、内視鏡画像診断支援ソフトウエアとして国内初の薬事承認を取得したEndoBRAINが発売。その後も検査やポリペクトミーの際に使える内視鏡AIが相次いで登場している。内視鏡AIを日常診療に取り入れている医師に使用感や課題を聞いた。


 大腸癌の検査目的で行う大腸内視鏡(下部消化管内視鏡)検査では、まず深部まで内視鏡を挿入し、引き抜きながらポリープや癌が疑われる粘膜病変を探していく。病変が見つかったら、まずは通常倍率・白色光の通常モードで観察し、さらにNBI(Narrow Band Imaging)やBLI(Blue LASER Imaging)などの画像強調機能、拡大内視鏡による拡大機能、色素散布によるコントラスト強調などを組み合わせて粘膜表面構造や微細血管構造を観察する。切除が必要なポリープなら、その場でポリペクトミー(内視鏡的ポリープ切除術)を行う。また、その場で切除できない腫瘍性病変の場合、画像強調機能などを用いて深達度診断を行い、内視鏡治療か外科手術かという今後の治療方針決定に役立てる。

 これら一連の流れを支援するAI製品が、この数年、相次いで登場している。昭和大学横浜市北部病院と名古屋大学大学院、サイバネットシステムが共同開発し、2019年3月にオリンパスが発売した「EndoBRAIN」は、視野を520倍に拡大できるオリンパス製の超拡大内視鏡Endocytoと組み合わせて、ポリープが腫瘍性か非腫瘍性かどうかを判定する(写真1)(関連記事:大腸ポリープが腫瘍かどうかをAIが瞬時に判定)。大腸ポリープの中には、将来癌になる可能性が高い腺腫性ポリープのほかに、過形成性ポリープや炎症性ポリープ、過誤腫性ポリープなどが2~3割あり、これらは切除する必要がない。不要な切除を避けることで、出血や穿孔などの合併症も減らすことができる。

写真1 EndoBRAINの画面イメージ(提供:サイバネットシステム、写真2、3も)
超拡大内視鏡の所見から腫瘍性・非腫瘍性の確率を表示する。

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