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シリーズ◎2018診療・介護報酬同時改定
DPCの機能評価係数II、重み付けは行わない方針
効率性・カバー率係数の重み付けが提案されるも、消極的意見相次ぐ

 中央社会保険医療協議会中医協)の「DPC評価分科会」(会長:千葉大学医学部附属病院長・山本修一氏)は9月1日、2018年度診療報酬改定に向けて機能評価係数IIの取り扱いについて議論した。2018年度改定での実施が検討されていた機能評価係数IIの重み付けに対しては消極的な意見が相次ぎ、行わない方針となった。

 同日の分科会では、機能評価係数IIのうち救急医療係数の取り扱いと、I群・II群病院における機能評価係数IIの重み付けのあり方を議論した。

 機能評価係数IIは現在、八つの係数で構成される。このうち救急医療係数は救急患者に対する医療資源の投入量と、診断群分類DPC)ごとに設定された点数の乖離を評価した係数だ。救急医療入院について、1症例当たりの入院後2日間の包括範囲出来高点数とDPC点数表の設定点数の差額の総和を基に算出するため、入院後2日間の包括範囲出来高点数がDPC点数表の設定点数より高いほど、係数も大きくなる。

 救急医療係数の評価対象となる救急医療入院の判定基準は、病院が「救急医療管理加算」の施設基準を満たしているかどうかによって異なる。救急医療管理加算の施設基準を満たしている病院の場合は、入院初日から同加算を算定するか、「救命救急入院料」「特定集中治療室管理料」「ハイケアユニット入院医療管理料」などを算定している患者が対象となる。救急医療管理加算の施設基準を満たさない病院の場合はこうした判定基準がなく、個々の病院が独自に判定する。2017年時点で施設基準を満たさない病院は58施設ある。

 厚労省によると、救急車で来院した患者全員が救急医療入院と判定された病院が14施設あった。90%以上が救急医療入院と判定された病院も296施設あった。なお、救命救急センターにおける中央値は68%であり、救命救急センターよりも救急医療入院が多い病院が少なからずあることがうかがえた。

 一方で、救急医療管理加算を算定する患者の中に、必ずしも重症ではない患者がいる可能性も示された。例えば救急医療管理加算を算定した肺炎患者でも呼吸不全のない患者がいた。さらに、同加算を算定した患者の中に、3日以内に退院した患者が一定数いた。

 これらのデータを踏まえ、厚労省は救急医療係数の論点として、(1)評価対象となる判定基準に救急医療管理加算などの算定を用いていることが適切か、(2)救急医療管理加算の施設基準を満たさない病院における評価の考え方――を挙げた。

 これに対し、大原記念倉敷中央医療機構・倉敷中央病院総合診療科主任部長の福岡敏雄氏は、「肺炎で呼吸不全がなくても、血圧が低かったり、脱水があるなどして状態が悪い患者もいる。3日以内に退院している患者の中には、状態が落ち着いたため2日目、3日目に転院させた患者もいるのでは」と話し、患者の状態についてさらなる分析を求めた。

 なお、救急医療管理加算の評価のあり方については、中医協の「入院医療等の調査・評価分科会」でも検討予定だ。このため、評価対象の判定基準に同加算を用いることについては、入院医療等分科会の検討を待って改めて議論することになった。

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