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シリーズ◎2018診療・介護報酬同時改定
療養病棟でのリハビリ、退院支援の評価を議論
医療区分、ADLを軸とした入院基本料には見直し求める意見相次ぐ

 厚生労働省の中央社会保険医療協議会中医協)は4月26日の総会で、2018年度診療報酬改定に向けて入院医療をテーマに議論した。慢性期医療を担う療養病棟でのリハビリテーションの提供や退院支援の推進に対する評価、2018年3月末で経過措置が切れる医療法上の5対1(診療報酬上は25対1)、6対1(同30対1)の看護配置基準の取り扱いについて議論した。

 療養病棟は、急性期治療を終え状態が安定した後も医療的処置が必要な患者に対し、中長期的に治療を行う機能を担う。現在は医療法上で4対1(診療報酬上は20対1)以上の看護配置が求められる「療養病棟入院基本料1」と、5対1(同25対1)以上の「療養病棟入院基本料2」があり、3段階の医療区分とADL区分の組み合わせで9段階の入院基本料が設定されている。このほか、病床の床面積、機能訓練室や食堂の設置といった要件をクリアした場合に算定できる「療養病棟療養環境加算」などの加算がある。

 同日の総会では療養病棟における医療の提供体制や患者の状態と医療の内容、医療費などに基づく議論が行われた。

 厚労省は職員の配置に関して、看護職員が基準よりも多めに配置されている実態を提示。2015年度における病床機能報告のデータの分析によると、医療療養1では看護師1人当たりの稼働病床数が3.3床、医療療養2では3.9床となっており、それぞれ4対1、5対1の基準を上回っていた。さらに、医療療養1、2ともに約2割の病棟で理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの職員を配置していた。

 入院患者の転帰については、医療療養1では死亡退院が41.3%と最も高く、自宅・家族宅などが23.0%、一般病床が14.4%、介護老人保健施設が4.2%と続いた。一方、医療療養2では自宅・家族宅などが36.0%と最多で、死亡退院が26.6%、一般病床が13.1%、介護老人保健施設が7.5%だった。

 在宅復帰と退院支援スタッフの関係の分析では、医療療養1、2ともに専従・専任の退院支援のスタッフがいる病棟では在宅復帰率が10ポイント以上高かった。さらに、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のいずれかが1人以上配置されている病棟の方が在宅復帰率が高かった。

 リハビリテーションについては、医療療養1は39.3%、医療療養2では24.1%が8割以上の患者に実施していた一方で、医療療養1の13.8%、医療療養2の22.6%は実施していなかった。

 これらのデータを踏まえ、厚労省は「高齢者の機能維持にかかるリハビリテーションや退院支援の推進」に対する評価のあり方を論点として提示した。

 論点に対し、健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、「療養病棟の評価は人員配置などのストラクチャーに対する評価が多い。在宅復帰や看取りなどアウトカム評価の視点を取り入れ、点数設計を見直すべきではないか」と意見を述べた。

 2018年度改定では、理学療法士などリハビリに関わる職員の配置やリハビリの提供が、何らかの形で評価される可能性がありそうだ。

 このほか、「在宅医療を担う診療所と連携し、患者や家族の意思を尊重した看取りを支援する機能の確保」に対する評価のあり方も論点として示された。

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